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 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2011年 > 西原 稔 公開講座(全3回シリーズ)

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西原 稔 公開講座
「ブラームスの世界」
2011年9月2日(金) 〜 10月7日(金) 10:30 講座(10:30〜12:30)
主催:カワイ音楽振興会

会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

受講料 / 一般 3,000円 会員 2,500円

 

第1回 2011年9月2日(金) 10:30〜12:30
初期の創作 ― 「ピアノソナタ第2番」と「バラード集」を中心に 開催レポートはこちらから

第2回 2011年9月16日(金) 10:30〜12:30
変奏曲の書法 ― 「ヘンデルの主題による変奏曲」を中心に 開催レポートはこちらから

第3回 2011年10月7日(金) 10:30〜12:30
後期のピアノ小品集の様式 開催レポートはこちらから

☆西原稔先生による作曲家シリーズ第2弾。今回のテーマは「ブラームス」
3回に渡ってブラームスの作品の真髄に迫ります!
ブラームスの新境地が見出せる必見の講座です!!

 

 ブラームスの創作においてピアノ作品はどのような意味を担っていたのでしょうか。初期に3曲のピアノソナタを作曲した後、彼はこのジャンルを手がけませんでした。2台のピアノのための作品の構想をもちましたが、その構想は「ピアノ協奏曲第1番」や「ピアノ五重奏曲」という形で完成しています。では、なぜ彼はもはやピアノソナタを作曲しなかったのでしょうか。

 ピアノソナタの後の彼の課題は変奏曲でした。しかし、1861年および1863年に完成した「ヘンデルの主題による変奏曲」と「パガニーニの主題による変奏曲」の後、ピアノ独奏作品として変奏曲の創作はピリオドを打ちます。そして「パガニーニの主題による変奏曲」の完成後、彼がふたたびピアノ作品の創作に向かうのは15年後のことで「8つの小品」が1878年に完成します。この「8つの小品集」はまさに後期の小品の入り口と言っても過言ではありません。

 しかし、ブラームスのピアノ創作は1879年に「2つのラプソディ」を完成した後、ふたたび創作は途絶え、「イシュル遺書」執筆後の1892年から翌年にかけて一連の後期の小品が創作されます。ブラームスのピアノ作品の創作においてこの中断期は何を意味するのでしょうか。この中断期において大きな様式転換が行われたように思われます。

 この3回の講座では、初期、中期、後期の三つの時期に区分してそれぞれの時期のピアノ作品の様式や書法、表現の要点を分析的に見てまいりたいと思います。

 西原 稔

<それぞれの内容>

第1回 2011年 9月2日(金) 10:30〜12:30
初期の創作――「ピアノソナタ第2番」と「バラード集」を中心に
 ブラームスの3曲のソナタのなかで第2番は異彩を放っています。第1番や第3番が様々な作曲家の様式を模範としたのに対して、ブラームスの本来の語法を直接表現したのが第2番であったといっても過言ではありません。第2番との関連で初期の作品で注目したいのが「バラード集」(作品10)です。この作品にはその後の彼の語法が集約されていると思われます。

第2回 2011年 9月16日(金) 10:30〜12:30
変奏曲の書法――「ヘンデルの主題による変奏曲」を中心に
 ブラームスの変奏曲創作は、「シューマンの主題による変奏曲」(作品9)に始まります。シューマンの語法の徹底的な摂取を目指したこの変奏曲と並んで、エドゥアルト・レメーニを通して知ったハンガリー民謡の主題を用いた「ハンガリーの主題による変奏曲」(作品21-2)も彼独自の変奏技法の開拓と言う意味で注目されます。「ヘンデルの主題による変奏曲」(作品24)は彼がもっとも気に入っていた作品の一つですが、この作品は多彩なポリフォニー手法の駆使だけではなく、楽器の音色の模倣やバロック時代の様式の応用の点できわめて総合的な作品と言えます。

第3回 2011年 10月7日(金) 10:30〜12:30
後期のピアノ小品集の様式
 ブラームスの創作において「後期の小品」と言えば作品116以降、作品119までの小品集を指します。この小品集の先駆をなすのが1878年に完成した「8つの小品集」(作品76)です。講座ではこの小品集の表現語法を取り上げた後、作品116以降のピアノ小品においてどのような表現手法が用いられているのかを検討してまいります。この後期の小品の表現の多くが、ピアノソナタ第2番や第3番、「バラード集」などに見られる点にも注目したいと思っております。

PROFILE

西原 稔

山形県生まれ。東京藝術大学大学院博士課程満期修了。現在、桐朋学園大学音楽学部教授、音楽学部学部長。18,19世紀を主対象に音楽社会史や音楽思想史を専攻。「音楽家の社会史」、「聖なるイメージの音楽」(以上、音楽之友社)、「ピアノの誕生」(講談社)、「楽聖ベートーヴェンの誕生」(平凡社)、「クラシック 名曲を生んだ恋物語」(講談社)、「音楽史ほんとうの話」、「ブラームス」(音楽の友社)、「クラシックでわかる世界史」(アルテスパブリッシング)、「ピアノ大陸ヨーロッパ」(アルテスパブリッシング)などの著書のほかに、共著・共編で「ベートーヴェン事典」(東京書籍)、翻訳で「魔笛とウィーン」(平凡社)、監訳・共訳で「ルル」、「金色のソナタ」(以上、音楽の友社)「オペラ事典」、「ベートーヴェン事典」(以上、平凡社)などがある。

主催/カワイ音楽振興会 
後援/(公財)日本ピアノ教育連盟
お問合せ/カワイ音楽振興会 03−5485−8511 カワイ表参道 03-3409-2511

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