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 ホーム(ニュース)根津理恵子のポーランド通信第12回「ワジェンキ公園」

第12回「ワジェンキ公園」

 

 

日本は残暑厳しいこの時期、ワルシャワでは少しずつ秋の風が吹き始めています。

ワルシャワは春と秋が極端に短いながらも、四季はしっかりと感じられる街。市内各所に自然いっぱいの公園があります。今回はその中でも最も美しいとされる<ワジェンキ公園>を、皆さんと共に散策してみたいと思います♪

ワルシャワ市民の誇りであり市内随一の観光スポットでもあるこの公園は、かつてはポーランド最後の王が別荘としていた土地でした。100ヘクタール以上もある広大な敷地に広がるワジェンキ公園の一年で、まず目を引くのは6月から9月の輝くグリーン。徐々に濃く深く色づいていく木々の緑を肌で感じると、体の底からエネルギーが湧いてきます。ついでにマイナスイオンのシャワーも浴び放題(笑)!

そんなキラキラした季節に合わせるように、夏から秋にかけての毎週日曜日に「ワジェンキ公園・オールショパンリサイタル」と題した野外コンサートが開かれています。公園のメインエントランス近くにそびえる大きなショパンの銅像の横にピアノが設置され、聴衆は像とピアノを360度囲みます。

偉大で特大のショパンが見守る中、ショパンを愛する聴衆と演奏者が一体となるひととき。この至福の瞬間を、光栄にも今年は演奏者としての立場から経験させていただきました!

野外ですから天候に大きく左右されます。雨が降れば中止、延期はナシ。実際昨年は雨で流れました。まさに神頼み!!!

今年の私の演奏会当日は幸運なことにスカッと快晴で、暑すぎず、開演45分前にはベンチに席を確保している人がたくさん…!

芝生でくつろぎながら音楽を楽しまれる方がいたり、コンサートのことを知らずに散歩で通りかかった方がふと足を止めて聴いてくださったり、などオープンコンサートならではの温かい光景であふれていました。

また演奏中には「神風」も現れました。穏やかにそよいでいたはずの風が、曲想と一緒になって激しく吹きつけたり収まったり…どの曲でも起きたのです。ショパンが呼び起こしてくれた風だったのでしょうか!?フシギです。

環境は決して弾きやすくはなく、マイクで音を拡張しているので自分の音が聴き取りづらい上に、周りの騒音も丸聞こえでしたが、私は弾いていてたまらなく幸せな気持ちになりました。ショパン(像)が近くで聴いているという高貴な緊張感と、開放的な雰囲気がうまく溶け合って、私に未知なるパワーを送り込んでくれたように感じます。

いろんな形態のコンサートがあっていいものだな、と再確認するステージとなりました。

次回はこちら

  


 掲載元:「あんさんぶる」2007年9月号より転載。(あんさんぶる編集室に転載許可済み)
あんさんぶる編集室(
カワイ音楽教育研究会 機関誌)に無断で転載することを禁止します。

 

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