トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

 ホーム(ニュース)根津理恵子のポーランド通信第8回「恐怖体験」

第8回「恐怖体験」

 


ワルシャワをちょっと外れたところに出現する小さな町の、のどかな雪景色?

ほとんどのヨーロッパ人の運転はたいてい荒くて強引と聞きますが、ポーランド人も同じく。
道が狭かろうがデコボコだろうがお構いなしに、高速道路でもないのに120キロぐらい出して平気な顔して走ります。だから当然、事故も多発します。私もこれまで自家用車やタクシーと公共の乗り物(バス、トラム)の接触事故には何度出くわしたことか!!
幸いにも自分は被害に遭っていないのですが、何度か恐ろしい体験をしました。

ある寒い夜のできごとです。
その日は朝から大雪で、降り積もった雪が夕方には氷になり路面はとても滑りやすくなっていました。歩きでは3歩進んだら必ずツルッといくぐらいに。
これではバスもトラムもさぞゆっくり安全運転だろう・・・と思いきや!
いつにも増してビュンビュンとばしまくるバス、バス、バス・・!
バス停で自分の乗るバスを待っている間、入れ替わり立ち替わり猛スピード&急ブレーキで飛び込んでくる数台の「わんこそば状態」のバスに、私はただただ唖然。。。

でも、そんなバスに自分も乗らなくては家に帰れない。何しろ気温はマイナス20度でしたから。
「よしっ!」と覚悟のうえで乗ったバスは、やっぱりものすごかった!!!
凍った路面の上だというのに、容赦ない!ブレーキの度に満員の乗客がドミノ倒しになるわ、起き上がった途端にまた急ブレーキだわ、全く生きた心地がしませんでした。

それでも20分間耐え、やっとやっと家の近くまで来た〜、と思ったところで、なんと運転手さん、道を間違えた!!!
乗客がざわついていると、運転手さんはしばらく行ったところで突然間違いに気付き、ますます加速!!Uターンできる場所まで行って戻ろうと思っているようなのですが、そのポイントは遥か先。だから余計に焦っているのか、アクセル踏み続ける!!!

追突の危険だけでなく、いつ横転してもおかしくない状況・・・、と思っていたその時、「フッ」と右車輪が浮いたような感覚が・・・・・・・
「ぅーわーーーーーっ!!!!!」
忍耐強いさすがのポーランド人も、これには驚き、不安を隠せない様子。
私はなぜかその瞬間のことを鮮明に記憶していて、必死で柱にしがみつき、意味もなくバランスをとったりして・・・<もうこれで人生終わりか。>などと内心思っていました。
それでもなんとか、本当に「なんとか」そのまま踏みとどまり、最悪の事態はまぬがれたのです。

その後もUターンできないままのバスはとりあえず一旦停車。「さっきルートを間違えた地点までまた戻るけど、ここで降りたい人は降りて」という状況に、私も迷うことなく降車しました!このまま乗っていたら何が起こるかわかりませんから!
そこから家まで徒歩10分の距離は、引き続き乗車した乗客の安全を祈りながら、極寒の中一歩一歩踏みしめて歩きました。
翌日、バス事故があったとの報道もなかったので、おそらくあのバスも無事に終点まで行き着いたのでしょう。本当に何事もなくよかったです。

そして今日もワルシャワの街には暴走するバス&タクシー群が・・・
おー、怖っ!

 


電柱が埋まってしまうほどの雪

次回はこちら

 


 掲載元:「あんさんぶる」2007年2月号より転載。(あんさんぶる編集室に転載許可済み)
あんさんぶる編集室(
カワイ音楽教育研究会 機関誌)に無断で転載することを禁止します。

 

 ホーム(ニュース)根津理恵子のポーランド通信第8回「恐怖体験」