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 ホーム(ニュース)根津理恵子のポーランド通信第9回「同居生活」

第9回「同居生活」

 


  美しい3月の空、旧市街前の広場

幸運なことに私は留学当初から、先生のお宅でご家族と共に生活させて頂いていますが、おかげで音楽のみならず、普段から現地の人の生活を垣間見られて、密度の濃い日々を過ごすことができています。
今回はそんな同居生活についてお話ししたいと思います。

同居とはいえ、キッチンもバスルームも別で基本的に1人の空間が確保されているので窮屈に感じることはなく、なんと言ってもピアノを一日中弾いていても全く苦情が来ないのが最高!!
毎年楽器の音に対する苦情が激増中らしく、困っている留学生も多い中、この恵まれた環境に私は感謝しなければいけないと思います。

でもちょっと困るのが「夜更しをした翌朝」。ポーランド人は朝にめっぽう強く、先生も練習を8時半からスタートされることが多いので、今日はちょっと遅くまで寝ていよう、なんて思っていても、そうは問屋が卸しません!「美しい調べ」によってたたき起こされるのです(笑)。
しかも後日「最近朝起きるの遅いようね、私の練習が目覚ましになってるでしょう?」と笑顔でチクリとやられてしまうし。全てお見通しっておそろしや。

さらに、練習も筒抜け。突然練習中に入ってこられて、「今のは何の為の練習?頭使いなさい!」とのお叱りも。
でもこれがとってもためになるんです!

留学して何が一番変わったかといえば、「練習の仕方」。それまではムダの多い「練習のための練習(先生曰く)」をしていた私ですが、譜読みを始めた瞬間から「耳と心」を最大限に使うようになりました。これは、上質な先生の練習を日々耳にすることができているおかげも大きいと思います。


  ホームパーティー歓談中

また、先生のご家族やご友人との交流からも多くを学びます。
特筆すべきは、今年9歳になるお嬢さんとの会話です。
折り紙や編み物を教えながら、楽しんで言葉を覚えられちゃう!

そして、ご友人を招いてのホームパーティーをよく開かれる先生は、会の始めに必ずミニ・コンサートを計画し、私にたくさんの演奏の機会を与えてくださいます。作曲家や指揮者、他の芸術家からその場で頂けるアドバイスは、目からウロコの刺激的なものばかり!
演奏後に先生のおいしい手料理をみんなで戴くのが、これまた楽しみ!!
その他、先生のコンチェルトの伴奏を突然頼まれて練習に付き合わせて頂くこともしばしばなので、おかげで初見がだいぶ鍛えられました!!!

こうして生活を共にさせて頂くと、先生の素晴しさをより深く感じることができますし、同時にプライベートのお姿にも触れられるので、ピアニストの生活とはどんなものかを実感として得る毎日です。
充実した生活をさせて頂いていることに、あらためて感謝の気持ちを表したいと思います。

でも先生、レッスン室がすぐ隣だからって、次のレッスンを決める時、「○日の午後ね!」っていうのはやめてください〜!
「え?午後の何時ですか?」なんて聞こうものなら「聞かないで!!!」・・・って逆ギレですか、先生!?

 

次回はこちら

  


 掲載元:「あんさんぶる」2007年3月号より転載。(あんさんぶる編集室に転載許可済み)
あんさんぶる編集室(
カワイ音楽教育研究会 機関誌)に無断で転載することを禁止します。

 

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