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アンジェイ・ヤシンスキ教授 公開講座 開催レポート
 ヤシンスキ教授の「ショパン論」
2019年1月16日(水)10:30 〜 12:30
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」
通訳:楠原 祥子先生(ポーランド語)

 

 

 名指導者、アンジェイ・ヤシンスキ教授の公開講座が開催されまし た。講座のテーマは“ショパン論”。ポロネーズ、マズルカ、ワルツを題材に、ショパンの音楽に対す る正しいアプローチ、演奏法をレクチャーされました。

  大まかな説明に始まり、ショパンが描いた情景、奏法、練習方法などを演奏を交えながら解説していきます。なかでも多 く取り上げたのは、アクセントにまつわ る話題です。テンポ、リズムの特徴によりどの舞踊が使用されているのかを分類し、最終的にそのダンスステップからア クセントの位置を判断していきます。日 本人による演奏の傾向を例に挙げ「誤った演奏も聴かれる」と言い、その違いを明確に伝えられました。スラーの長さも 舞踊を分類する際の判断材料のひとつと は言いますが、源流である舞踊そのものを知る重要性を改めて感じさせられました。

  終盤はショパン作品以外でも応用できる練習法が紹介されました。かつての弟子で通訳を務めた楠原祥子さんが「恐怖の ヤシンスキメソード」と呼んだのは、音 階の発展版。右手が先行し、左手は別のリズムで弾き進めるなどの多様な組み合わせで、思考力をも鍛える複雑なトレー ニングです。ほかにも「フレーズの流れ を整えるには指1本で弾く」など、一捻りある練習法が数多く伝授されました。

 高弟であるツィメルマンを教える際に意識したこととして「耳を 育てる」、《インヴェンション》を全調で弾けるなど「精度を向上させる」、“どのように演奏するか”を自ら考えるために距離 を置き「自発性を育てる」の3つ を挙げたヤシンスキ教授。これらは指導者の立場でなくとも、自らの演奏を客観的に捉える指標ともなるアドバイスでし た。「最も重要なのは、音の入り口と出 口を意識し、鳴り響いている間に持ち得る感情を表現すること。人間のさまざまな感情と結びつけて弾くこと」と言いま す。より良い演奏のためのヒントが詰 まった講座でした。

(R.K.)

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