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ピアニスト 松本和将のロシア名曲選 開催レポート
〜レクチャー&コンサート Vol.1(全5回)〜
【コンサート】
2018年
12月6日(木) 10:30開場 11:00開演 
♪チャイコフスキー 「四季」より抜粋、「ドゥムカ」
 ムソルグスキー 「展覧会の絵」
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 寒さ厳しき12月初旬、松本和将さんのピアノ・リサイタル「ロシア名曲選Vol. 1」が開催されました。プログラムは、同シリーズのレクチャーで取り上げられた作品を中心に構成されており、チャイコフスキーの『四季』より《1月 炉端にて》《4月 松雪草》《6月 舟歌》《11月 トロイカ》と《ドゥムカ》op. 59、ムソルグスキーの《展覧会の絵》に加え、チャイコフスキーの『子供のためのアルバム』op. 39より数曲が演奏されました。

 前半のチャイコフスキーの作品では、松本さんの温かく深みのある音色が非常に印象的でした。特に『四季』の《1月》は、底冷えするような寒い日に暖炉の前でホッと一息ついている、そんな場面が目に浮かぶような味わい深い演奏でした。《6月》では、哀愁に満ちたバルカローレの旋律が美しく歌われており、その場面の空気感や香りまでも想像させてくれるような色気のある音楽でした。また、『子供のためのアルバム』は、バレエ音楽でも有名なチャイコフスキーらしい作品がまとめられた曲集ですが、松本さんはこれについて、子供のためのアルバムだからといって決して幼稚なものではなく、音が少ないからこそ逆に難しいとお話されていました。シンプルでありながら各曲のキャラクターがいきいきと表現された演奏に、自然と作品の世界へと引き込まれていくようでした。

 後半のムソルグスキー《展覧会の絵》では、前半とは全く異なる世界観が提示され、そのコントラストを面白く聴くことができました。凄みを感じさせるような力強い音色や、ときにグロテスクなまでの土臭さは、ラヴェルのオーケストラ編曲版とも性格の違うムソルグスキーらしさなのかもしれません。特に印象的だったのは、終曲〈キエフの大門〉での鐘の音を思わせるダイナミックな響き。オクターブでの怒涛の音階はペダルの効果とも相まって、まさに圧巻でした。

 アンコールには、ラフマニノフの《ヴォカリーズ》が演奏され、充実の2時間が閉じられました。来年5月には、ラフマニノフをテーマに「松本和将のロシア名曲選Vol. 2」が開催されます。                               

(Y. T.)

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