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現代ピアノの為の演奏技術講座 開催レポート
〜入門からヴィルトゥオーゾ・テクニックに至るまで〜
講師: 高田 匡隆
第4回 2017年9月7日(木) 10:30〜12:30 
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 9月7日パウゼにて、ピアニスト高田匡隆先生による公開講座「現代ピアノの為の演奏技術講座〜入門からヴィルトゥオーゾ・テクニックに至るまで〜」の第4回が開かれました。今回の講座は前回の「基礎の応用編」に引き続く「実践編」で、ショパン作曲『ポロネーズ第6番(英雄ポロネーズ)』、『ノクターン14番』、リスト作曲『2つの演奏会用練習曲』より「小人の踊り」、バルトーク『ミクロコスモス』より「オスティナート」が取り上げられました。

 「英雄ポロネーズ」ではショパン作品を弾く上でのポイントである「高貴さ」のある音作りをするための手法について解説してくださいました。演奏する際に重要な和音や旋律と音のバランス、特に左手のバスが響きを邪魔することないように十分気を配ること、拍節感を持つことなどです。次の音を導くためにすべての音、フレーズはあり、音に色の変化と方向性を持たせること、そして休符であっても、どのようなキャラクターを持っているのかを意識すること等、多くの注意すべき点をお話しくださいました。オクターブの弾き方一つを取っても、「指で掴む」、「手首の上げ下げで弾く」、「前腕の上げ下げで弾く」の3つの方法があり、音楽の場面にふさわしい音を出すためにその都度弾き方を工夫する、音に対して徹底して向き合う姿勢が音楽性を深めるのだと感じました。

 「ノクターン」では深く静かな音を作り出す打鍵(指先の使い方)についてのご説明がありました。雰囲気に頼らず確かな手法に基づいて音に色をつけていくためには、指の角度や打鍵のスピード、鍵盤への重みのかけ方などをコントロールすることが重要であるようです。練習法については、フレーズを弾く際に腕や手がどのような運動をしているのか「テクニックのグループ化」をし、動きのコツを覚える練習が効果的だそうです。

 「オスティナート」では、近現代の作品に特有の多くのアーティキュレーションを解釈し表現していく際には「ダイナミクス(音の強弱)と、発音に対する指示であるアーティキュレーションを同化させないこと」が大事であるということを、演奏を交えてご説明くださいました。

 一貫して高田先生がおっしゃったのは「欲しい音があって、その実現のために手段があること」と、「高い技術があることだけでなく、音楽は表現ありき、音楽要素を持って聴き手を魅了することができるのが本当のヴィルトゥオーゾである」ということでした。盛りだくさんな内容を、曲の細部にわたって熱心にご教授くださいました。学びの多い講座をありがとうございました。

(W.T)

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