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現代ピアノの為の演奏技術講座 開催レポート
〜入門からヴィルトゥオーゾ・テクニックに至るまで〜
講師: 高田 匡隆
第3回 2017年7月7日(金) 10:30〜12:30 
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 高田匡隆先生による「現代ピアノの為の演奏技術講座〜入門からヴィルトゥオーゾ・テクニックに至るまで〜」の第3回が開かれました。

 今回の講座は「基礎の応用編」と位置づけられ、バッハのインヴェンション、シンフォニア、スカルラッティのソナタをテキストとして進められました。

 テキストでの解説に入る前に、まず、音楽を作っていく基本となる事柄を説明してくださいます。曲の構成、強弱とアーティキュレーション、そして音色、この3つが重要であると説かれました。

 そして、バッハのインヴェンション第6番で詳しく見ていきました。

 第6番では、3部に分かれた構成であること(第1小節〜第20小節、第21小節〜第42小節、第43小節〜第62小節)、そのそれぞれの中でどのように調性が変化し山があるのかを見ます。その上で全体を見ることで、曲の物語が見えてくるということです。

 強弱とアーティキュレーションについては、一つのモチーフの中では音形に添って自然な強弱を心がけるという、バロック時代の作品ならではの指摘もありました。また、各声部の距離感を考慮に入れ、和声を感じつつ強弱を考えることが大事ということです。

 音色については、特に丁寧に実演を交えながら説明されました。指先の角度、打鍵のスピード、指や腕の重さをどう載せるか、といったことで音色が少しずつ変わってくることが示されました。

 他に、スカルラッティのソナタK.9、K.162、バッハのシンフォニア第11番で、曲調に合わせてどう音色を作っていくのか、伴奏の音色の作り方、声部の弾き分けのバランスの取り方、声部間の距離感と和声感を感じつつ強弱を付けていく方法等々、詳しく解説されました。

 そして講座の締めくくりにもっとも強調されたのは、「初めに耳ありき」ということ。まずは音を耳でしっかり聴く練習を積むこと、そうしてこそ指の訓練が生きてくる、とお話しされました。

 次回9月7日(木)は第4回「実践編」となり、ショパンのポロネーズ集、ノクターン集、リストの演奏会用練習曲集、バルトークのミクロコスモス第6巻がテキストとなります。

(K.A)

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