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現代ピアノの為の演奏技術講座 開催レポート
〜入門からヴィルトゥオーゾ・テクニックに至るまで〜
講師: 高田 匡隆
第1回 2016年9月29日(木) 10:30〜12:30
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」 

  

 ヨーロッパで研鑽を積まれた高田匡隆先生によるピアニスト、学習者にとっての基礎的で、発展への礎となる技術を学ぶ「現代ピアノの為の演奏技術講座〜入門からヴィルトーゾ・テクニックに至るまで〜」第1回入門編が開催されました。

 まず高田先生は、ピアノを弾く人にとっていかに技術が大切であるかを真摯に語られました。技術があればより様々な音の表現を行うことができ、結果としてより深い音楽づくりへ発展させることができると仰いました。せっかく良い音楽性を持っていても、技術がないために伝えきれないのは惜しいことであり、またピアニストにとって技術は避けては通れない道であります。しかし決してつまらないものではなく、音楽を発展させるためのものと考え、前向きな姿勢で技術と向き合うべきだと仰いました。今の日本の子供達は体格が良くなってきたものの、技術をどのように応用すれば良いか分かっておらず、その結果ある程度の段階で辞めてしまったり、行き詰まってしまったりする子も多いとのことです。そうした子供達の傾向を分析し、基礎的な技術をどのように習得すれば良いかを、「バルトーク=レショフスキー:ピアノ・メソード」「バーナム:ピアノ・テクニック」「ハノン」を用いて説明されました。

 技術の中でも今回は特に、使うべき指の筋肉だけを動かす「指の独立」をテーマにお話しされました。「バルトーク=レショフスキー:ピアノ・メソード」では、脱力がきちんとできた状態で、それぞれの指で鍵盤を押さえる練習を取り上げられました。指の付け根や鍵盤の底以上に押さないなど、ただ弾くだけではなく効果的なチェック方法を教えてくださいました。

 「バーナム:ピアノ・テクニック」は棒人間のイラストを参考にしながらどのような動きを学ぶのかを、生徒がイメージしやすいことを特徴です。スラー、スタッカート、ドロップアンドロールが全て揃っており、重音や和音、跳躍が満遍なく含まれているテキストとして、学習に適していると仰いました。

 「ハノン」は強い音だけでなく、遠くまで響く音や美しい音を出すのに必要な指の筋力をつけるための教材です。しかし、集中力が必要な点や体全体の動きとの連動性が欠けている点など、デメリットもよく理解した上で、使う必要があることも知らなければならないと教えてくださいました。

 これら3つの教材をポイントごとに、それぞれのテクニックや弾き方も確認しながら丁寧に説明してくださいました。

 テクニックを学ぶ意味も考えた上で、学習者も教師も取り組まなくてはならないことを意識した講座でした。

 次回11/29の講座はブルグミュラー、ツェルニーの練習曲を題材に、音の立体化やアーティキュレーションについて扱われる予定です。 

(H.M.)

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