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ピアニスト 上原 由記音 スペイン音楽講座 開催レポート

エンリケ・グラナドス

第3回 2015年11月24日(火) 10:30〜12:30
グラナドスの生涯(2)と「ロマンティックな情景(1901年)」「演奏会用 アレグロ(1903年)」 
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 スペイン音楽のスペシャリスト、上原由記音先生によるグラナドス講座。第3回の本日は作曲家の30代以降の作品を焦点に、最後の大作《ゴイエスカス》に至る歩みをお話と演奏で辿ります。

 最初に地図や年表などを参照しながら、グラナドスの生涯や主要作品の位置づけが概観され、つづいて本日のメインの作品の演奏に移ります。初めに取り上げられたのは、ショパンやシューマンの影響も感じさせる《ロマンティックな情景》、作曲コンクールでの入賞作となったピアニスティックな《演奏会用アレグロ》の2曲です。演奏に際しては、弱音の大切さや、ペダリングに対するグラナドスのこだわりについてのお話がありました。

 作曲の背景となった、カタルーニャの民族文化復興運動ラナシェンサや、モデルニスモ(モダニズム)の潮流についてのご説明を経て、後半では、次回の講座で扱われる《ゴイエスカス》とゆかりの深い作品群が演奏されました。曲目は、《ハカラ(歌とバレエの為の踊り)》、《クレプスクロ(黄昏)ゴイエスカス(ゴヤ風の情景)》、《セレナータ・ゴイエスカ》、《インテルメッツォ》、そして《わら人形》です。このうち、華やかな《わら人形》は比較的よく知られていますが、その他はほぼ初演に近いという珍しい作品ばかり(《クレプスクロ》と《セレナータ・ゴイエスカ》は手稿譜がバルセロナ音楽博物館に現存とのこと)。事前にチラシ等で予告されていた作品に加え、急遽演奏を決められたということでしたが、聴き手にとっては大変興味深く、貴重な機会となりました。

 スライドに映し出された沢山の写真を通じて、グラナドスの過ごしたスペインの街並みや建物の様子を楽しんだ後、最後に、有名な〈嘆き、またはマハと夜啼き鶯〉(《ゴイエスカス》より)が艶やかに演奏されました。演奏に先立って、上原先生がこの曲のレッスンを受けられたというスペインの名ピアニスト、アリシア・デ・ラローチャ女史の思い出をお話しになっていたのも印象的でした。

 次回2016年3月24日はいよいよ本講座の最終回。グラナドスの代表作《ゴイエスカス》が取り上げられます。5月30日に予定されている上原先生の《ゴイエスカス》全曲演奏会とともに、どうぞご期待ください。

(N.J.)

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