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古屋晋一先生 特別講座 開催レポート
2015年1月31日(土) 10:30〜12:30 
会場:カワイ表参道 コンサートサロン パウゼ
入場料:一般 3,000円 会員 2,500円 ※会員特典あり(全自由席)

  

 理想の音楽を演奏するには、ふだんからどのような練習を重ねればよいのでしょうか。誤った奏法や過剰な練習などは、時に身体のトラブルを引き起こす原因となります。指導者の中でも関心の高い演奏家と身体、また演奏家と心の関係、そして故障を回避する練習法を古屋晋一先生が教えてくださいました。

 講座では具体的な病名と症状を挙げ、その危険因子も解説。例えば心理的不安も要因のひとつとされるジストニアでは、先生を変更した際や休み明けが発症の起因となるケースもあるそうです。知識を持っているだけで講師としての心構えも変わったり、レッスン内容に反映できることもあるのではないでしょうか。

 指が動かない=練習が足りないと思わない、痛みを散らそうと患部を揉むのは厳禁、本番前の猛練習は逆効果など、知識がなければついやってしまいそうな行動も教えていただけます。痛みが発生した場合は決して自分で判断をせず、可能であれば音楽に関する知識を持った医師の診察を推奨されていました。

 国内ではピアノを早期に習い始め、故障者も多くいます。日本と比べ遅れて始める人が多いドイツでは、古屋先生が研究のための患者数を集められなかったことがあるほど、悩みを抱えている人は少数だそうです。スタートが遅いと故障のリスクが高まる一因にはなるものの、同国では脳、身体、心についてのカリキュラムが音楽教育の一環として組まれているため、未然に防げているようです。

「最高の先生は自分の耳。耳が許さない音は出さない」とショパンの言葉を紹介し、理想の音と現実の音、その間を埋めていくことが練習であり、“量”よりも“ゴール”の設定が大切だと古屋先生は言います。反復練習だけが上達の道ではありません。鍵盤から離れてミスの分析や整理ができるようになることはトラブルの回避、“効率の良い練習”に繋がり、理想の演奏には不可欠な能力なのです。

(R.K.)

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