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南雲竜太郎 公開講座 開催レポート
シューマン
〜人生を通して探るピアノ曲の魅力〜 
(演奏とお話・全3回シリーズ) 
第2回 文学作品からの影響
2014年5月8日(木) 10:30〜12:30
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 南雲竜太郎先生のシューマン講座、第2回の今回は、初期の作品《蝶々 Op.2》と、円熟期の《クライスレリアーナ Op.16》の2曲を通して、シューマンの音楽における文学からの影響を探ります。

 《蝶々》はジャン・パウルの『生意気盛り』、《クライスレリアーナ》はE.T.A.ホフマンの『牡猫ムルの人生観』や、同じタイトルの「クライスレリアーナ」(『カロ風幻想曲集』より)との関連がしばしば指摘されますが、忙しいレッスンや練習の傍ら、こうした文学作品を実際に読むとなると、なかなかハードルが高いと感じる方も少なくないのではないでしょうか(会場にいらした受講者の方々のうち、これらの作品を「実際に読んだことがある」と回答されたのは1名だけでした!)。

 今回の講座では、シューマンの手紙や、関連するジャン・パウルやホフマンのテクストの抜粋が、譜例と合わせて全13頁に及ぶ資料として配布されました。シューマンの作品との具体的な対応関係(『生意気盛り』の舞踏会の場面と《蝶々》の各曲など)や、明示されてはいなくてもシューマン自身の音楽や人生との何らかの共通性を感じさせるような部分について、南雲先生は独自の解釈をも交えながらわかりやすくご解説くださいました。シューマンの2作品をいつもながらの美しい音色で情趣豊かに演奏してくださったのはもちろんのこと、ホフマン自身の作曲したピアノ・ソナタの一部を実演で紹介されていたのも一興でした。

 自ら音楽雑誌を創設し、音楽文筆家としても活躍したシューマン。彼の愛読した文学作品の中に、その音楽をよりファンタジー豊かに理解するための大きなヒントが詰まっていることは間違いありません。文学を通して音楽を、あるいは音楽を通して文学を「読む」ことの楽しさを再発見させてくれる、大変貴重な機会となりました。

 本シリーズ最終回となる次回6月19日(木) の講座では、いよいよ「結婚に至るまでのクララとの関係と、人生の終焉まで」のドラマティックな展開が扱われます。どうぞお楽しみに!

(N.J.)

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