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カワイコンサート NO.2214
佐藤卓史ピアノリサイタル 開催レポート
2014年8月31日(日) 開場13時30分 開演14時00分
会場:しずぎんホール ユーフォニア(静岡県)

 

 

 佐藤卓史さんの演奏に初めて接したのは2012年浜松国際ピアノコンクール3次予選でした。特にモーツァルトのピアノ四重奏曲第2番の演奏はとても印象深いものでした、ピアノの音が格段に美しかったからです。

 今回のリサイタルは前半でウィーンゆかりの作曲家モーツァルト、シューベルト、後半でドビュッシー、ショパンという古典派、ロマン派、印象派の様式を味わえる絶好のプログラムです。加えてこの豊かな音色を表現するピアノSK-EXにも注目でした。

 1部1曲目はモーツァルトのソナタ ハ長調K.545。ピアノ学習者なら1度は弾いてみたいあこがれの曲でもあります。真珠の玉を転がす様な美しいスケール、2楽章のまるでセレナーデを思わせる左手の伴奏、軽快な3楽章は今にも踊り出しそうです。耳になじんだこの曲がまるで別の曲のように新鮮に響きました。

 続くシューベルトのソナタ イ短調D.784は両手ユニゾンで始まる暗い音色の曲ですが、シューベルトの「歌い」は損なわれず、あるときは力強く、あるときは心の内で聴くという様々な表情が繰り出されこの曲を味わい深いものにしていました。

 2部はがらりと違った雰囲気でドビュッシーの「ベルガマスク組曲」全曲が奏されました。華やかなプレリュードに始まり宮廷の舞踏会を連想させるメヌエット、もっとも有名な3曲目「月の光」では時間の経過によって移り変わる景色が表現され、それにふさわしいピアノの音色も魅力でした。最後のパスピエは軽快で楽しく、ピアニスト自身も心から音を楽しんでいるようでした。

 後半はショパンの作品から2つの夜想曲作品62、バラード第1番。ピアノの良さが遺憾なく発揮されたショパンの作品演奏にこの楽器が持つ限りない可能性を感じ、ピアノという楽器から様々なドラマが導き出される事に深い感動を覚えました。

 モーツァルトに始まり徐々に盛り上がりショパンで締めくくる絶妙なプログラミング。

 アンコールは2曲、ショパンの遺作の夜想曲嬰ハ短調とワルツ作品69-1別名「別れのワルツ」でした。8月最後の日曜日の午後は、何とも贅沢な音楽とすごせた極上のひとときでした。

音教静岡事務所 山西美世子

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