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ニューアーティスト・アフタヌーンコンサート2021
Vol.4 出演:五十嵐 薫子・京増 修史・水谷 桃子 開催レポート
2021年3月23日(火) 14:00〜16:00(13:20開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 若手ピアニストによるコンサートシリーズが開催されました。第4回目となったこの日の出演者は、五十嵐薫子さん、京増修史さん、水谷桃子さんです。ともにソロのみならずオーケストラ、室内楽を含む演奏活動に力を注ぎ、期待を寄せられている3名が、オールショパンのプログラムに多様なアプローチで臨みました。

 

 まずは、五十嵐さんの演奏から。夢みるように甘美な〈ノクターンOp.27-1〉、〈エチュード〉は激流に飲まれるようなOp.10-4、Op.25-6は疾走感を保ちつつ詩的にまとめられています。〈マズルカ〉はOp.33-1とOp.33-2と続き、締めくくりは〈バラード第1番〉。歌謡性にあふれ、情緒豊かに起伏を作りあげました。

 

 続いて、京増さんによる演奏です。寂しさを内包しながらも晩年の落ち着いたやさしさを表現した〈ノクターンOp.62-2〉、〈エチュード〉はOp.25-11とOp.10-10を披露。哀愁に満ちた〈マズルカ〉はOp.59-1とOp.59-3を取り上げ、感情の微妙な揺れ動きが表現されていました。最後は〈舟歌〉。陰りの変化、光が差したときの水面のきらめきなど、細かなニュアンスが浮かび上がる演奏でした。

 

 公演の最後を飾ったのは、水谷さんです。〈エチュードOp.10-10〉は、豊かな和声を潤いのある音色で。シンフォニックな始まりが印象的な《ソナタ第3番》は、雄大な作品。作曲家自身の苦境に打ち勝つ気持ちを意味しているような光り輝く集結は、彼女の力強く訴えかける演奏が心に残りました。

 ショパンが遺した作品に真摯に向き合い、各々の美学を感じ取れた演奏会。今後もみずみずしい感性と解釈で、多くの人を楽しませてほしいと思います。

(R.K.)

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