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日本ショパン協会 第283回例会
西尾 真実 ピアノリサイタル 開催レポート
《日本ショパン協会パウゼシリーズ Vol.37》
2018年4月27日(金)開演 18:30 (開場 18:00)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 春風の心地よい4月末、西尾真実さんのピアノ・リサイタルが開催されました。日本ショパン協会のパウゼシリーズVol. 37として行われた今回の演奏会では、前半にチャイコフスキーの 《四季》op. 37 bis、後半にショパンの《ノクターン第18番 ホ長調》op. 62-2と《ピアノとチェロのためのソナタ ト短調》op. 65が取り上げられました。

 チャイコフスキーの《四季》は、ロシアの一年をひと月ずつ描いた12曲からなる作品です。月刊誌の連載企画のために作曲されたもので、それぞれにプーシキンやトルストイといったロシアの文豪の詩が付されています。5年半もの間、ロシアで研鑽を積まれた西尾さんならではの深い解釈とイメージに裏打ちされたその演奏は、まさにロシアの情景を彷彿とさせるものでした。特に印象的だったのは、6月の「舟歌」。各声部のメロディを丁寧に歌わせ、哀愁に満ちた、しかしどこか懐かしさや温かさをも感じさせる好演で、曲の最後の余韻も秀逸でした。

 ショパンの《ピアノとチェロのためのソナタ ト短調》は作曲家最晩年の作品であり、彼の室内楽書法の集大成。西尾さんが「どうしても演奏したかった」というその「憧れの曲」は、チェリストの森田啓佑さんを迎えて共演されました。冒頭、ピアノの序奏に続きチェロが旋律を奏で始めると、一瞬にして聴き手を作品の世界へと引き込んでいきました。チェロの豊潤な音色と、繊細かつダイナミックなピアノの織りなす音楽は圧巻で、演奏が終わると客席のあちこちからブラボーの声が上がりました。アンコールには、サン=サーンスの組曲《動物の謝肉祭》より〈白鳥〉と、ポッパーの《妖精の踊り》が披露され、興奮冷めやらぬまま演奏会は閉じられました。国内外でソリスト、室内楽奏者として幅広く活躍されている西尾さん。ますますのご活躍を楽しみにしています。

(Y. T.)

 

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