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日本ショパン協会 第281回例会
三原 未紗子 ピアノリサイタル 開催レポート
《日本ショパン協会パウゼシリーズ Vol.35》
2018年2月16日(金) 開演18:30 開場18:00
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 2月の半ば、三原未紗子さんのピアノ・リサイタルが開催されました。現在、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学大学院に在籍し、ジャック・ルヴィエ氏のもとで研鑽を積まれているという三原さん。日本ショパン協会主催のパウゼシリーズVol. 35として行われた今回の演奏会では、前半にベートーヴェンの《ピアノソナタ第13番変ホ長調》op. 27-1、メンデルスゾーンの《厳格なる変奏曲ニ短調》op. 54、バルトークの《戸外にて》Sz. 81という性格の異なる3作品を、後半にショパンの《バラード》全4曲を取り上げるという意欲的なプログラムを披露してくださいました。

 ベートーヴェンのソナタでは、全体を通して力みのない自然な演奏が心地よかったです。第1楽章冒頭から三原さんの音楽の世界へと誘われていくようでした。メンデルスゾーンの変奏曲では、この曲のなかで唯一長調で書かれている第14変奏が印象的でした。スタッカートでの軽快な第13変奏の後、アダージョで穏やかに奏されるこの変奏では、祈りを思わせるような神聖で温かな雰囲気が見事に作り出されていました。また、バルトークの《戸外にて》では、ダイナミックでときに打楽器的な響きや、独特な和声・リズムがそれまでの空気を一変させ、より一層プログラム構成の面白さを際立たせていました。標題のついた各楽章のキャラクターも巧みに表現されており素晴らしかったです。

 後半は、ショパンのバラード全曲。ひとつの演奏会でバラード全曲を取り上げるのが「長年の夢の一つ」であったという三原さん。その思い入れの深さが伝わってくるような後半のプログラムでした。高音域での透明感のある音が美しく、特に第4番ではクライマックスに向けての展開が秀逸でした。アンコールは、ショパンの《ノクターン第8番》op. 27-2。会場から温かな拍手が送られ、和やかな雰囲気のなかリサイタルは閉じられました。三原さんは今年の夏に大学院をご卒業され完全帰国なさるとのことですが、今後ますますのご活躍を期待しています。                        

(Y. T.)

 

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