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川添 文 & 水谷 桃子 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.44 》
2017年11月10日(金) 18:30開場 19:00開演
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 《東京藝術大学 表参道フレッシュコンサート vol.44》は、演奏家と作曲家の関係を問い直すような二人の若々しい意欲を感じました。

 前半は川添さんによって、まずはシューマン=リスト《献呈》とシューベルト=リスト《『万霊節のための連祷』 D.343》が演奏されました。どちらもリストが既存の歌曲をピアノソロ用にヴィルトゥオーゾ性を加えて編曲した作品であり、前者では愛を歌い、後者では死者の魂に祈りを捧げる、演奏者の対照的な弾き分けに感銘を受けました。また、両作品の歌詞を川添さんが朗読したことで、人生における出会いと別れについて想いを馳せながら音楽を聴くことができました。続いてラフマニノフ《ピアノソナタ第2番 変ロ短調》でフォルティッシモの一撃から続く和音の連打よって溢れ出したエネルギーに揺さぶられた会場も、次のカプースチン《変奏曲 作品41》では一気にjazzyな雰囲気に酔いしれました。最後は、モーツァルト=ヴォロドス《トルコ行進曲》で、お馴染みのフレーズを超絶技巧で楽しませてくれました。

 後半は水谷さんのショパン《3つのマズルカ 作品59》の演奏で始まりました。その端麗で親和性に富んだ音により、演奏者と観客が一体となってショパンの音楽に浸ることができました。続いてシューマン《謝肉祭「4つの音符による面白い情景」 作品9》では、20曲に渡る小曲に付随するそれぞれのユニークなタイトルの魅力を生かす水谷さんの研究によって、シューマンが提示した奇想的かつ清澄な美しさ鮮やかに再現していました。そしてリスト《「リゴレット」による演奏会用パラフレーズ》では、ピアノという打楽器を操って、あたかも豪華絢爛なオペラの舞台に立って重厚なアリアを歌っているほどに伸びやかな音を響きわたらせました。アンコールにはショパン《エチュード Op.10-3 「別れの曲」》が選ばれ、東京藝術大学大学院を今年卒業した水谷さんの、未来に踏み出す決意が伝わってきました。

(M.S)

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