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林 秀光 記念コンサート Vol.5 開催レポート
〜Homage&Gratitude〜
2017年9月22日(金)19:00開演(18:30開場)
出演:津田真理、鈴木美奈子、鈴木謙一郎(以上、ピアノ)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

    

 ピアニスト、指導者として大きな功績を残した故・林秀光氏を思い、毎年門下生で開催している記念コンサート『Homage & Gratitude』。5回目となる今回は、鈴木謙一郎さん、鈴木美奈子さん、津田真理さんの3名が出演しました。

 鈴木さんはヴァルトケービッチの〈前奏曲〉、ヴォロドスの編曲でモンポウの歌曲集《夢のたたかい》より第1曲〈君の上にはただ花ばかり〉とレクオーナのスペイン組曲《アンダルシア》より第6曲〈マラゲーニャ〉、そして〈熊蜂の飛行〉はビレンスキー編で演奏されました。原曲がピアノ作品でないものも含まれていますが、編曲ものによる演奏は新鮮な印象を与えます。アンコールとして演奏した1曲は、モンゴルでの演奏会用に準備したという、同国の作曲家による作品。西洋の響きのなかにどことなく民族音楽の雰囲気が香る、興味深い作品でした。

 続いて、鈴木さんによるシューマンの《幻想曲》の演奏です。大学の頃に林氏に教えを受けた作品とのことで、ご自身のなかでも思い出深い1曲のようです。とりわけ第3楽章において、作品の世界に深く向き合う姿勢からは、プログラムノートに記されていた「大切なことは、大きな声で言わないんだよ」という師のひと言が感じ取れました。

 休憩を挟み、この日最後の出演者、津田真理さんはベートーヴェン最後のソナタ、第32番を披露されました。大きくうねりながらすべてを巻き込む力強い第1楽章。第2楽章は瞑想的な主題を美しく歌い、ときに軽やかな変奏部分を経て、ひそやかに締めくくられました。

 林氏への尊敬の念を持ち続け、受け継いだ音楽を伝える。かつての門下生はそれぞれに活躍しながら、今後も恩師が音楽に注いだ情熱をきっと多くの人に伝えていってくださることでしょう。

(R.K.)

 

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