トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2014年 > 白石照男と門下生によるピアノジョイントコンサートVol.3 > 開催レポート

白石照男と門下生によるピアノジョイントコンサートVol.3 開催レポート
〜ハンディを乗り越え羽ばたこう!〜
2014年12月26日(金) 18:00開演( 17:30開場)
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

  

 新しい年2015年を迎えるのに相応しい、強い勇気を与えてくださるコンサートでした。

 白石照男先生は、通常の生徒の他に、視覚や聴覚の障害、四肢障害、自閉症などのハンディを持つ生徒の指導にも力を注いでおられ、そういった生徒達と共に、一年の努力の成果を発表する場となっているのがこのジョイントコンサートです。

 最初に登場したのは中西良輔さん。幼くして全盲となり、何か身につけようと7歳から始めたピアノでした。想像を絶するような努力を積み重ね、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ラフマニノフに加え、ポピュラーにまでレパートリーを広げ、素晴らしいピアニストへと成長しました。

 演奏の前に白石先生から紹介された、中西さんとの最近のレッスンの様子を収めた映像によると、お互いの住む場所が遠隔となった今は、パソコンをテレビ電話として使い、画面を介してレッスンが行われていました。そのレッスンは、一つの楽曲をごく細かい単位に分けて、白石先生がお手本を弾いては中西さんがすかさずリピートして弾いて覚える、という形で少しずつ進められていきます。驚異の聴覚と集中力。気の遠くなるような作業ですね!

 中西さんの当夜の演奏曲目は、まずはグリーグの抒情小曲集から、ファンタジー溢れる「アリエッタ」、ピュアな喜び「春に寄す」、半音階のデリケートな美しさ「蝶々」。

 そしてショパンです。儚く切ない「ノクターンOp.9−2」、幸福感に彩られた「変奏曲『パガニーニの思い出』」、繊細な「ポロネーズOp.26−2」。心地良いルバート、音楽の自然な流れから、中西さんの天性の才能を感じました。

 続いては白石照男先生の演奏です。この上なく美しいショパンの「ノクターン・遺作」。豊かな優しさに満ちたリストの「献呈(シューマン)」。静かに熱く語りかける、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」。

 そして三番目に登場したのは竹田史朗さん。3歳で自閉症と診断されたのですが、音楽が大好きで、ピアノは今や生活の一部。白石先生からは、すごく真面目で真っ直ぐな性格であること、押したり引いたりの熱いレッスンであることなどが紹介されました。

 竹田さんの演奏曲目は、ラフマニノフから。「幻想小曲集Op.3より『鐘』」は、威風堂々たる演奏。「プレリュードOp.23-5」からは、コミュニケーションを苦手とする竹田さんの豊かな心が伝わってきました。

 そして、ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ『月光』」。真っ直ぐな竹田さんにベートーヴェンはぴったりです。きっちりと襟を正したような第1楽章から疾走する第3楽章まで、見事全楽章を弾き切りました。

 最後は、竹田さんと最初に演奏した中西さんとによる連弾です。明るく軽やかなモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の第1、2楽章。爽快感溢れる、シューベルトの「軍隊行進曲第1番Op.51 D.733」。大きなハンディを乗り越えて、よくぞここまで! 会場では大きく温かな拍手が鳴り響き続けました。

 白石先生は、彼らのために計り知れない工夫を積み重ね、どれだけの時間を費やして来たのでしょうか。

 生きていくのに挫けそうになった時、彼らのピュアな演奏は大きな勇気を与えてくれる!と強く感じました。

(H.A.)

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2014年 > 白石照男と門下生によるピアノジョイントコンサートVol.3 > 開催レポート