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カワイ音楽振興会 創立50周年記念コンサート Vol.2 開催レポート

2013年10月24日(木)
イブニング・コンサート 19:00開演 18:30開場
出演: 加野 瑞夏高田 匡隆
会 場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ  

 

 

 

 

 10月22日より三日間に渡ってパウゼにて開催されている<カワイ音楽振興会創立50周年記念コンサートVol.2>。最終日である本日24日のイブニング・コンサートは国内外で活躍されているお二人の素晴らしいピアニストをお迎えして、大変充実したコンサートとなりました。会場はもちろん満席。開演前からパウゼも大いに賑わっていました。

 前半では、現在ベルリンを拠点に国際的な演奏活動をされている加野瑞夏さんの絢爛華麗なピアノを堪能することができました。プログラムはドビュッシーのエチュード(抜粋)とシューマンのクライスレリアーナ。前者は様々な音楽的なアイディアが重層的に組み合わさり織り上げられる難曲ですが、加野さんのすべての音がはっきりと聴こえる透き通ったタッチで聴くとエチュード本来の鍵盤を弾く楽しさやドビュッシーならではの遊び心が自然に伝わってきます。そして、その加野さんの瑞々しいピアニズムはシューマンの情熱的な音楽を美しく響かせるにはまさに理想的。会場のお客様もうっとりと聴き入っておられました。

 後半演奏されたのは、数々の国際コンクールや音楽祭で高い評価を得られ、国内外での演奏活動を精力的に続けられている高田匡隆さんです。今回はバッハ=ブラームス編による左手のためのシャコンヌとブラームスの8つの小品 Op.76、および左手のためのショパン=ゴドフスキー:エチュード op.25-12で構成された大変重厚なプログラムを聴かせて頂きました。有名なブゾーニ版とは趣を異にするドイツ音楽ならではの深みや、ブラームスの微細な陰影や情緒の揺れ動きに至るまで丹念に織り上げられ凝らされた意匠、左手とは思えない分厚いサウンドのエチュードと、密度の濃い時間は瞬く間に過ぎて行きました。アンコールで演奏されたラフマニノフの鐘は今日のコンサートの締めくくりとして相応しく、ドラマティックな音響と「鐘」の残響が会場を祝福するように響き、筆者も会場のお客様と一緒にその余韻を堪能させて頂きました。演奏が終わると夢から覚めるように盛大な拍手が贈られ、記念すべきコンサートは成功裡のうちに幕となりました。

(G.T.)

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