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長崎結美ピアノリサイタル 開催レポート

〜夜の輝きの中で〜

2013年10月18日(金) 開場18:30 開演19:00

会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 10月18日パウゼにて、ピアニスト長崎結美さんのリサイタルが開催されました。この日、会場には補助席が設けられるほど多くのお客様がいらしており、長崎さんへの期待の高さが伺われました。今回のリサイタルは『夜の輝きの中で』をテーマに、「秋の夜にふさわしいように…。」という思いが込められた盛沢山のプログラムで迎えてくださり、解説を挟みながら和やかに進行されました。

 前半は、ドビュッシーとプーランクの小品で、夜想曲をメインに構成されておりました。長崎さんの解説によると、「夜想曲」は19世紀後半に発展したサロン音楽で、富裕層の集まる夜会で教養を発揮するために演奏されていたとのこと。まるで当時のサロンにタイムスリップしたような心地になりました。また、印象派の絵画を思わせるような淡いパステルカラーのドレスをお召しになられており、楽曲の世界観がさらに引立っていたように思いました。

 ドビュッシーの作品は≪2つのアラベスク≫、≪ダンス(スティリー風タランテラ)≫、≪夜想曲≫を披露されました。≪2つのアラベスク≫では、アラベスクの持つ「唐草模様」という意味の通り、きらきらとした音色が空間で様々に織り交ざり、繊細で優美な模様を描き出されているようでした。≪ダンス(スティリー風タランテラ)≫では躍動感のある演奏を、≪夜想曲≫では音響を巧みにコントロールされ、会場全体が幻想的な響きに包まれているようでした。

 続いて、プーランクです。今回は≪夜想曲≫より、第1番、第4番<幻の舞踏会>、第2番<少女の舞踏会>、そして組曲≪ナポリ≫です。クリアな音色で、プーランク特有の洒落た和声を美しく生き生きと表現されておりました。筆者の印象に残ったのは組曲≪ナポリ≫の<夜想曲>で、月明かりが夜の水面に反射しているような素敵な演奏を聴かせてくださいました。

 後半は、R.シュトラウスの作品です。ブルーのシックなドレスで登場され、まず≪5つのピアノ小品≫Op.3より第1曲を、深みのある音色で、語りかけるようにしっとりとした演奏を披露してくださいました。

 最後は、ゲストにヴァイオリニストの富山宏基さんをお招きして≪ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調≫Op.18を演奏されました。この曲は長崎さんが「学生時代から大好きな曲」とのこと。お二方の演奏は、音楽の方向性をしっかりと捉えているような確固とした形式感と、オペラを観ているような壮大でドラマティックな表現が大変印象に残りました。

 鳴りやまない拍手に応えられ、アンコールはお二方によりドビュッシー(ハイフェッツ編曲)≪美しい夕べ≫を演奏してくださいました。素晴らしい演奏はもちろんのこと、プログラムやお話、衣装に至るまで、さまざまな工夫が感じられ、温かみのあるリサイタルでした。素敵な夜のひとときをありがとうございました。

(K.S)

 

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