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ピアニスト 田崎悦子 in Joy of 室内楽シリーズ 第7夜 開催レポート
(Chamber music series Vol.7)
〜日本を代表するアーティストとヤング・アーティストのコラボレーション〜
公開リハーサルよりコンサートまで
ゲスト・アーティスト: 篠崎 史紀(ヴァイオリン)
出演:田崎悦子(ピアノ)、篠崎 史紀(ヴァイオリン)、
ヤングアーティスト:眞岸 祥平(Pf)、外園 彩香(Vn)、松本 亜優(Vc)、横田 誠治(Vc)
2013年
10月12日(土)7:00 P.M.〜(6:30開場) 
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 本日は、国内外でご活躍のピアニスト田崎悦子先生が、「まろ」の愛称で知られるベテランヴァイオリニストの篠崎史紀先生、そして今後の活躍が期待される若手アーティストの方々と共に、室内楽の名曲を演奏されるというプログラムです。毎年好評を博し、今や7回目となるこのシリーズ、本日もたくさんのお客様が駆けつけました。

 まずは、ヴァイオリンの外園彩香さん、チェロの松本亜優さん、ピアノの眞岸祥平さんという全若手メンバーによる、モーツァルトのピアノ三重奏曲Kv. 564です。田崎先生はご自身も大変魂を込めた演奏をされますが、この3名の若いアーティストさんもまた、先生の意思を受け継いだような、大変心のこもった演奏をしていらっしゃり、聴いている私達もとても心温まりました。モーツァルトの楽曲は、現在でも世界中で愛されていますが、中でも本日演奏されましたト長調の三重奏曲は、柔和な表情の多く見られる作品です。外園さん、松本さん、眞岸さんによるアンサンブルは、この楽曲に大変合った、軽やかな音色が際立ちました。

 次は、田崎先生・篠崎先生によるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第10番の演奏です。ベートーヴェンの音楽は「哲学的だから大変!」とお話をされた篠崎先生。田崎先生とともに、様々な音楽表現の引き出しを用いて、この作品をまとめていらっしゃいました。お2人のアンサンブルの素晴らしいところは、互いに主張する音楽と相手を引き立てるところを巧みに弾き分けて、楽曲を立体的に仕上げていらっしゃるところです。そして篠崎先生のヴァイオリン演奏は音量・音質ともに本当に幅が広く、特に第2楽章では繊細な表現に客席が静まりました。

 最後は田崎先生・篠崎先生に若手ソリストの横田誠治さんを加え、チャイコフスキーの長大なイ短調のピアノ三重奏曲です。「先生方に負けないよう頑張ります」と意気込みを語った横田さんは、大変情熱的な音色を出されるチェリストで、アンサンブルにぐっと厚みを出していらっしゃいました。このピアノ三重奏曲は珍しい2楽章構成です。第2楽章は大きな変奏曲となっており、その変奏曲はもはや多数のあらゆるジャンルの楽曲をかき集めたように、色々なリズム・テンポ・曲想による変奏が詰まっています。田崎先生・篠崎先生の表現力の多様さと、横田さんの熱い音色が大きな効果を生み出したプログラムで、演奏が終わった瞬間には割れんばかりの拍手が沸き起こりました。

 こうして充実した時間はあっという間に過ぎてしまいました。今後も田崎先生や篠崎先生、そして今回ご出演されていた若いアーティストさん達の演奏をぜひ聴きたいと感じた演奏会でした。

(A. T. )

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