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カワイ音楽振興会 創立50周年記念コンサート Vol.1 開催レポート

2013年4月23日(火)〜25日(木)
会 場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ
4月24日(水)
第5回 19:00開演 18:30開場  出演: 阪田 知樹 
第6回 20:00開演 19:45開場  出演: 今田 篤

  

 新進気鋭のピアニスト9名の出演による、「カワイ音楽振興会創立50周年記念コンサートVol.1」。去る4月24日(水)夜に、第5回・阪田知樹さん、第6回・今田篤さんのコンサートが続けて開催されました。

 それぞれの持ち時間は1時間弱。限られた時間内に、若き才能と個性がどのように発揮されるのか。聴衆は、じっと耳を澄ませていました。

 阪田知樹さんは1993年生まれで、東京藝術大学2年に在学中。国内外の数々のコンクールでの受賞歴をもち、ソロ、室内楽、オーケストラとの共演で、既に演奏活動を盛んに行っています。

 阪田さんは、モーツァルトの「デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲」で、軽やかにスタート。2曲目のラフマニノフの「ピアノ・ソナタ第2番」では、音の渦が嵐のように迫ってくるスケールの大きな演奏が、会場を満たしました。

 3曲目のリストの「ラ・カンパネッラ」では、見事なヴィルトゥオーゾぶりを発揮。ラストの、チャイコフスキー作曲パブスト編曲の「歌劇《エヴゲニー・オネーギン》による演奏会用パラフレーズ」での流麗な語り口が素晴らしく、躍動するワルツのリズム感は、歌劇の舞台となった帝政ロシアの社交界で夜ごと踊られた華麗なワルツを彷彿とさせました。

 アンコールは、アルベニス「《イベリア》より第6曲〈トゥリアーナ〉」。スペインものならではの情熱と哀愁に聴衆は魅了され、会場は大きな拍手に包まれました。

  

 今田篤さんは1990年生まれで、東京藝術大学大学院修士課程1年に在学中。彼もやはり国内外の数々のコンクールでの受賞歴があり、いくつものファンデーションの奨学生として学びながら、ソロはもちろん、オーケストラとの共演など、幅広い演奏活動を行っています。

 今田さんの1曲目は、シューマンの「ウィーンの謝肉祭の道化芝居」。にぎやかな謝肉祭の様子が歯切れよいリズムに乗せて表現され、華やかな場面、ロマンティックな場面、哀愁を誘う場面と、心躍る展開を見せました。

 2曲目は、ショパンの「ノクターン第10番・変イ長調」。繊細な心模様があたたかな音色で綴られ、とても素敵でした。

 ラストは、プロコフィエフの「4つの小品・作品4」。複雑に絡み合う音の層、攻撃的なリズムと和音、不気味で鬼気迫る音世界……。その圧巻の演奏に、聴衆は興奮の拍手を送りました。

 アンコールではバッハの「平均律第1巻第21番」を、あたたかな音でのびやかに歌い上げて、当夜のコンサートを締めくくりました。

 若いピアニストが音楽に打ち込むさわやかな姿を見ると、将来の明るい展望が感じられて、本当にいいものです。

H.A

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