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カワイ音楽振興会 創立50周年記念コンサート Vol.1 開催レポート
会 場：カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ
4月23日(火) 第3回 20：00開演 19：45開場 出演： 片田 愛理
カワイ音楽振興会の創立50周年を記念して表参道パウゼにて開催されているメモリアルコンサート。第三回はすでに世界各地のオーケストラとも共演され活躍されている片田愛理さんによるショパンとショスタコーヴィッチによるプログラムです。
片田さんが翡翠色のドレスで登場され、まず最初に演奏されたのがショパンのノクターンロ長調です。比較的ゆったりとしたテンポで一つ一つのフレーズを愛しむように奏でられていたのがとても印象的でした。
続くショパンエチュード作品２５より抜粋（第１、２、４、５、７、９、１０番）では繊細で優美な音色に加えて時折覗かせるダイナミックな表現がピアノの豊かな響きを引出します。片田さんの演奏はショパンの持つ内面の神秘性が味わい深く表現されており、その秘められた情熱が一気に溢れ出してくる瞬間はとても感動的でした。
そしてコンサートのフィナーレを飾ったショスタコーヴィッチの２４のプレリュードとフーガ作品８７より第２４番ニ短調では大変壮大な音の絵巻を聴かせて頂きました。この作品はスタイルとしてはバッハの平均律に倣って作曲されていますが、ムソルグスキー的な巨大さや、あたかももの悲しいシベリアの冷気がひんやりと肌を伝ってくるかのようないかにもロシア的な表現はショスタコーヴィッチならではと言えるでしょう。片田さんの演奏はこの作品に対する愛情が伝わってくる大変情熱的なもので、プレリュードから引き継がれたテーマによって展開される二重フーガの盛り上がりも圧巻でした。
会場からのアンコールに応えて片田さんが演奏されたのはショパンの黒鍵エチュード（作品１０−５）。プログラムの演奏ではどちらかといえば抒情的な表現が印象的でしたがアンコールでは文字通り「快速」で快活に表現され、メモリアルコンサートの第一日は成功裡に締めくくられました。
(G.T.)
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