|
|
|
|
|
|
|
|
|
| |||||||
|
|
カワイ音楽振興会 創立50周年記念コンサート Vol.1 開催レポート
会 場：カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ
4月23日(火) 第2回 19：00開演 18：30開場 出演： 菅原 望
今日より開催されている「カワイ音楽振興会創立５０周年記念コンサート」。第二回を演奏されるのは数々のコンクールでの受賞歴を持ちピアニストグループ「image」等の自主公演においても活躍中の菅原望さんです。今回のプログラムは古典からロマン派の名作までを楽しめる幅広いプログラムとあって筆者も楽しみに出かけてきました。
コンサートの冒頭を飾ったのはハイドンのアンダンテと変奏曲ヘ短調。テーマから全曲を通じてここかしこに現れる付点のリズムが長年宮廷楽長を務めていたハイドンのユーモラスで印象的なフロックコート姿を彷彿とさせるとてもチャーミングな作品です。菅原さんの演奏はそうした作品の魅力を引き出したウィットに富んだもので、程よく乾いたアルペジオやコロラトゥーラを連想させるトリルの表現も痛快でした。
続くブゾーニ編曲によるバッハのトッカータとフーガニ短調においては、古典の端正なスタイルに加えてピアノの響きをダイナミックに引き出した壮大な音楽が聴かれました。ハーモニーが持つ衝撃的な響きを一つ一つ確かめるように打ち放つ菅原さんの圧倒的な音楽に会場も息を飲みました。美しいピアノの残響もこのブゾーニ版の魅力を一層引き立てていました。
シューマンのアラベスクハ長調では一転して、詩人がミューズに誘われてふらっと森へと散策に出かけるかのような爽やかな表現。中間部やコーダの時が止まったような癒しのハーモニーも大変魅力的でした。
コンサートのフィナーレはリスト作曲巡礼の年第一年「スイス」よりオーベルマンの谷。菅原さんの演奏は通常のロマン主義のイメージにとらわれず作品本来のドラマ性を立体的に引き出した意欲的なものでした。情熱的な菅原さんの演奏に会場も惜しみない拍手を贈りました。
（G.T.）
|
|
