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KSCO
パウル・バドゥラ=スコダ ピアノリサイタル 開催レポート
2012年11月19日(月) 19:00開演(18:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 本日の演奏会はパウル・バドゥラ=スコダ氏のピアノ・リサイタルです。世界的な巨匠の演奏を聴くために、たくさんのお客様がカワイ表参道・コンサートサロン『パウゼ』に駆けつけました。補助席まで埋まるほどの盛況ぶりで、スコダ氏の人気の高さが窺われます。プログラムは、バッハ《パルティータ 第1番》とハイドン《ピアノ・ソナタ 第46番 変イ長調》、モーツァルト《ピアノ・ソナタ イ短調》、シューベルト《4つの即興曲》Op. 90。どの作品の演奏も素晴らしかったのですが、最も印象的だったのはシューベルトの即興曲です。巨匠の「技」によって作品が息をもった音楽に生まれ変わり、さらに芸術的な高みへと導かれていく様子に、ただ息を呑むばかりでした。今年で85歳になられたスコダ氏の記憶には計り知れないほどの豊かな経験と音楽が深く刻まれていることでしょう。その記憶に演奏を介して触れられるだけでも、今日の音楽との出会いは聴き手にとって得難いものであったと感じます。とくに《4つの即興曲》〈第3番 変ト長調〉の溢れんばかりの慈しみには心が慰められる思いでした。また、モーツァルト《ピアノ・ソナタ イ短調》の演奏も格調高いもので、その凛とした確かな解釈には「絶対性」を感じてしまうほどです。バッハ《パルティータ 第1番》とハイドン《ピアノ・ソナタ 第46番》は歴史的な奥ゆかしさが垣間みられる見事な演奏でした。スコダ氏は作曲家の自筆譜や歴史的な鍵盤楽器を数多く所有されているそうです。このような音楽への知的好奇心を絶やさない精神が、息の長い音楽家として活躍なさる秘訣になっている気がしました。

 アンコールには、シューベルト《4つの即興曲》Op. 142より〈第2番 変イ長調〉と、《幻想曲 ヘ短調》Op. 103が演奏されました。《幻想曲》ではなんと客席からイェルク・デームス氏が登場し、スコダ氏とのデュオを披露してくださるというサプライズが!そして、鳴り止まない拍手と共に本日の演奏会は締め括られました。

(A. N. )

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