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藝大ピアノ・デュオ・プロジェクト Vol.1開催レポート
〜次世代の音楽界を担う、藝大ピアノ科若手男性教員の饗演〜
2012年11月13日(火) 19:00開演( 18:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 

 今日は早くから完売御礼になっていた注目のコンサートに出掛けました。《芸大ピアノ・デュオ・プロジェクトvol. 1 〜次世代の音楽界を担う、藝大ピアノ 科若手男性陣教員の饗宴》です。宣伝チラシのデザインはインパクトがありましたね。

 まず、演奏して下さったのは、前田健治さんと佐野隆哉さんです。サティ《風変わりな美女(真面目な幻想曲)》(連弾)では、軽快なリズムやテンポが心地よさと洒落っ気をもたらしていました。また、ほぼ演奏される機会のないドビュッシー=ガルバン《ラプソディー(管弦楽とサクソフォーンのための)》(連弾)では、初めて耳にする響きを新鮮な気持ちで聴くことができました。次は菅野雅紀さんと有吉亮治さんのペアの演奏で、ラヴェル《マ・メール・ロワ》(連弾)、《ラ・ヴァルス―舞踏詩》(2台ピアノ)でした。《ラ・ヴァルス》の色鮮やかさや華やかさに劣ることなく、音数の少ない世界の中にも上質の表現を生み出していた《マ・メール・ロワ》。特に第5曲〈妖精の園〉でのオルゴールのような音色は絶品でした。

 休憩をはさんで、藤井隆史さんと新納洋介さんが、シューマン=ドビュッシー《カノン形式による6つの練習曲》(2台ピアノ)を演奏して下さいました。お二人は20年来のお知り合いだそうで、そのためでしょうか、驚くほど呼吸がぴったり!相性の良い友人同士の会話のように、2台のピアノのかけ合いは自然でスムーズに進み、難解なカノンを忘れさせるほどでした。本日最後の曲目はストラヴィンスキー《2台のピアノのための協奏曲》(2台ピアノ)で、斉藤龍さんと佐々木崇さんによるデュオでした。お二人の奏でる同音連打と連続するスタッカートからは躍動感だけでなく激しい衝動性を感じ、この曲の打楽器的な特徴が活かされた演奏でした。どのペアにも共通して、情熱的な音楽の中にも、もろく壊れてしまいそうな繊細さを垣間見ることができ、ピアニストとしての多面性を感じました。

 演奏終了後、出演者全員が舞台に再登場し、アンコールにはシューベルト《軍隊行進曲》をみなさんで演奏して下さいました。その異様な光景に(!)、お客様は身を乗り出し、首を長くして聴いていらっしゃいました。

(A・H)

 

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