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フィオーレ・ピアノ・カルテット 音楽の花束
第1回《スペインの香り》開催レポート
〜 フィオーレ”はイタリア語で“花”。
スペインの旅情を花々の香りとともにお楽しみ下さい! 〜
2012年11月10日(土) 16:00開演( 15:30開場)
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 11月10日パウゼにて、多くのお客様で満席のなか、フィオーレ・ピアノ・カルテットによる『音楽の花束』コンサートが開催されました。このカルテットは、「和やかなひととき」をモットーに、スペイン音楽のスペシャリスト上原由記音さん(ピアノ)を中心として、小杉 結さん(ヴァイオリン)、廣瀬雅子さん(ヴィオラ)、伊藤恵以子さん(チェロ)で結成されています。今回は「スペインの香り」と題され、プログラムにはスペインを代表する作曲家の作品がずらりと並んでおり、お話を交えながら進行されました。同時に、作曲家トゥリーナの故郷であるセビージャの街路樹オレンジをイメージして、ニールズヤード・レメディーズ社提供のアロマが焚かれており、会場はオレンジの爽やかな香りに包まれていました。音と香りによる粋な演出で、実際にスペインを旅しているような雰囲気が醸し出されていました。

 前半は、メンバーの紹介も兼ねて、それぞれの楽器の持ち味が活かされた曲目が演奏されました。最初に、今日「アストゥリアス」として親しまれている、アルベニス≪スペインの歌≫より第1曲<プレリュード>が上原さんのソロで演奏されました。ギターを掻き鳴らす音と、こぶしの効いた歌声がピアノ1台で鮮明に表現され、スペイン音楽の世界にいざなってくれました。

 続いて登場したのは廣瀬さん。グラナドス≪スペイン舞曲集≫より第5番<アンダルーサ>を演奏されました。ピアノの絶妙な和声による背景の上に、ヴィオラの渋みを帯びた重厚な音色による滑らかな旋律が重なり、アンダルシアの異国情緒の漂う景色が目に浮かぶようでした。

 次は、小杉さんによりサラサーテ≪カルメン幻想曲≫が披露されました。オペラ「カルメン」に基づく鮮やかな旋律が、華やかな技巧に彩られた情熱的な演奏で見事に表現されていました。

 最後に伊藤さんが登場、カタルーニャ民謡≪鳥の歌≫を演奏されました。ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラの濃密な響きによる伴奏に合わせ、伸びやかで哀愁漂う旋律をしっとりと聴かせてくれました。

 そして、メンバー全員が揃ったところでトゥリーナ<ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの為のカルテット イ短調 作品67>が演奏されました。まるで4つの楽器が対話をしているように音楽が進んで行きます。中でも、独特な和声の透き通った響きが大変印象的でした。

 後半は、スペインで活躍したイタリア人作曲家ボッケリーニの≪6つの弦楽三重奏曲≫より第2番ト長調 作品38で始まりました。装飾的なパッセージが美しく、軽やかで優雅な演奏が展開されました。

 コンサートの締めくくりとして、全員でアルベニス(吉濱綾伽 編曲)の作品が5曲続けて演奏されました。ハバネラの揺れるようなリズムが心地よい≪スペイン舞曲第2番≫、甘く情熱的な≪愛の歌≫、ギターを爪弾くようなピアノに、弦楽器が歌声のように重なっていた≪入り江のざわめき≫、明るく心が躍るような部分と、伸びやかなカンテ(歌)の部分の対比が面白い≪ロンデーニャ≫、躍動感のある≪ティエラの門≫。カルテットならではの響きで聴いたこれらの作品は、とても新鮮に感じ一味違った面白さを味わえました。

 アンコールでは、ファリャ≪火祭の踊り≫と、アルベニス≪愛の歌≫を演奏。盛大な拍手に包まれました。盛沢山のプログラム、質の高い演奏、凝った演出による魅力満載のコンサートでした。

(K.S)

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