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まつきとわたるとはなこのトリオ in 表参道 Vol.2 開催レポート
2012年11月6日(火) 19:00開演( 18:30開場)
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 すっかり気温も下がり、表参道の並木も少しずつ色づき始めています。11月6日(火)、表参道「パウゼ」では、〈まつきとわたるとはなこのトリオ in 表参道〉が催され、楽しみに会場へ向かいました。

 「まつき」と「わたる」と「はなこ」。なんとも親しみの湧くネーミングですね。松本和将さん(ピアノ)、向井航さん(チェロ)、上里はな子さん(ヴァイオリン)のお三方の仲の良さは想像に難くありませんが、演奏においても3人の表現のベクトルがぴたりと合ったアンサンブルを聴かせて下さいました。

 前半のプログラムはメンデルスゾーン《ピアノ三重奏曲 第1番》op. 49でした。この曲を聴いて、シューマンは「ベートーヴェン以来、最も偉大なピアノ三重奏曲だ」と、メンデルスゾーンを賞賛したというエピソードが残っています。全体を通して、ピアノパートの華やかさ、活躍ぶりが目立ちますが、3人の各パートが時に寄り添い、互いを強め合ったり、時にあるパートの引き立て役に回ったりと、アンサンブルならではの面白さに気付かせてくれる演奏でした。

 後半にはまず、上里さんがヴァイオリン・ソロでバッハ《無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番》BWV1004より〈シャコンヌ〉を演奏して下さいました。この大曲を前に、会場の緊張はピークに。静寂の中で上里さんから発せられた最初の4小節のテーマは、私たちの身体と心の奥深くにしみ入るようでした。反復される短いバス声部の上で次々と施される変奏が進むにつれ、精神的な深みを一層感じ、純粋に音楽を聴くことのできた時間でした。

 そして最後に、ブラームス《ピアノ三重奏曲 第3番》op. 101でした。第1楽章はいかにもブラームスらしい嵐のような力強さを感じさせる旋律で始まりますが、特に今日印象に残ったのは第3楽章でした。ピアノとのヴァイオリンとチェロそれぞれのデュエットで聴くことのできた“歌”は、子守歌のような優しさと温かさを含んでいました。曲中の多様な表情をくまなくとらえ、それらを1本の統一した流れにまとめ上げるお三方の構成力にはただただ圧倒されるばかりでした。

 大きな拍手に応えて、アンコールとしてモーツァルト《ピアノ三重奏曲 第6番》KV548より第3楽章を演奏してくださいました。まつきとわたるとはなこのトリオでアンコールをするのは、なんと初めてだそうです。大サービスに、そして上質の音楽にお客様は大満足のご様子でした。

(A・H)

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