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ピアノレパートリー 講座 Vol.9 開催レポート
メンデルスゾーンのピアノ作品 〜無言歌集の深い魅力〜
2012年9月14日(金) 開場10:00 開講 10:30 (10:30〜12:30)
講師:
南雲竜太郎
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 毎度ピアノ・レスナーの方を中心にご好評をいただいている南雲竜太郎先生のピアノレパートリー講座。シリーズ最終回の今日は、メンデルスゾーンの『無言歌集』がテーマです。「春の歌」や「ヴェネツィアの舟歌」といった作品でピアノ学習者にもおなじみの『無言歌』ですが、メンデルスゾーンの創作期の全般にわたって作曲されたこの作品集の全貌を見渡すことのできる機会は意外にも少ないのではないでしょうか。今回は全48曲のうち、あまり知られていない作品を中心に、20曲が取り上げられ、音楽的特徴によって分けられた三つのカテゴリー((1)一定の伴奏の上で歌うスタイル(2)和声的な動きのコラール風な作品(3)常動曲風、トッカータ風な作品)ごとに、解説を交えた実演が行われました。

 こうした一つ一つの作品にはもちろん様々な個性があるわけですが、曲集全体を通じてみると、作曲家自身の人生経験を反映するような時期ごとの作風の変化はあまり見られないのがわかります。この点は、本講座の他の回で取り上げられたグリーグの『抒情小曲集』にも通じるものがある、と南雲先生はおっしゃっていました。また、多数の無言歌のうち、メンデルスゾーン自らが標題を付したのはわずか5曲とのこと。出版社によって後から付されたその他の標題は必ずしもそれぞれの作品の性格にふさわしいものとは言えず、注意が必要だとのお話もありました。

 メンデルスゾーン自身の生涯に関するお話もまた、大変興味深いものでした。南雲先生は、彼の作曲家としての活動だけでなく、バッハ等の古い音楽の復興や、指揮者の地位の向上、ライプツィヒ音楽院の設立といった様々な功績に光を当て、その音楽の特質と人物像に様々な角度から切り込んでご説明くださいました。

 南雲先生のさらりとした美しいタッチは、作品固有の気品ある魅力を引き立たせ、シンプルな音の中からはっとさせるような瞬間を導き出すものでした。技術的には決して難しくはない作品ながら、ポリフォニーの弾き分けや、音楽的に充実した表現を追求するには「大人」の耳が必要だとのお話が最後にありましたが、まさに納得です。全体として、演奏家・指導者としての立場から発せられる先生の率直かつ真摯なコメントは、聴く者のアイディアを大いに刺激してくれるものでした。

 11月からは南雲先生の新ピアノレパートリー講座「心に響く演奏のために…古典派・ロマン派への導入」(http://kawai-kmf.com/concert-info/2012/11.14-/)が始まります。こちらもどうぞお楽しみに!

(N.J.)

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