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ピアニスト 田崎悦子 in Joy of 室内楽シリーズ 第5夜 開催レポート

(Chamber music series Vol.5)
第5回 記念 スペシャル企画!!
〜ゲスト・アーティスト ウィーン・フィル首席打楽器奏者〜
ローランド・アルトマン氏による
“バルトーク:2台ピアノと打楽器のためのソナタ”
☆夢の共演がカワイ表参道パウゼにて実現!!
出演: 田崎悦子(ピアノ)、ローランド・アルトマン(パーカッション)
《ヤングアーティスト》渡辺愛(ピアノ)、小川研一郎(パーカッション)、大場章裕(パーカッション)
2012年1月13日(金)19:00開演( 18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 ピアニストの田崎悦子さんを筆頭に進められてきた室内楽シリーズ、本日はウィーンフィル首席打楽器奏者のローランド・アルトマンさんがスペシャルゲストとして登場し、2台ピアノと打楽器による華やかなステージとなりました。メインとなった演目は、バルトークの傑作だと言われている≪2台ピアノと打楽器のためのソナタ≫。この演目を共演することは、田崎さんとアルトマンさんにとって、数十年間抱き続けた夢だったそうです。本日はお二方に加えて、若手ピアニストの渡辺愛さん、若手打楽器奏者の小川研一郎さん、大場章裕さんがステージに参加し、この演目の実現に力を合わせました。

 コンサートの幕開けは、田崎さんと渡辺さんによる、シューベルトの≪幻想曲≫作品103の演奏でした。本来1台のピアノに2人が並んで座って演奏するこの楽曲を、敢えて舞台の両端に配置した2台のピアノで演奏することで、オーケストラのような音の広がりが得られます。次の演目では、いよいよアルトマンさん、小川さん、大場さんが、たくさんの種類の打楽器とともに登場。アルトマンさんオリジナルの編曲による、ラヴェルの名曲≪ボレロ≫を、ピアノのお2人と共に演奏しました。ステージに並べたたくさんの打楽器の音色を駆使した編曲からは、アルトマンさんの楽器に対する鋭い感覚がうかがえました。≪ボレロ≫の後には、同じくラヴェルの作品である≪スペイン狂詩曲≫より第4曲<祭り>が演奏されました。煌びやかに動く2台のピアノに、シンバル、タンバリンといった楽器が彩を加えます。そしてそれらの楽器を支えるのが、アルトマンさんのティンパニです。アルトマンさんの奏でるティンパニの音は、とてもすっきりした心地よい響きを持っていて、会場の空気を巧みに掴んでいました。

 休憩明けでは、いよいよお待ちかねの≪2台ピアノと打楽器のためのソナタ≫が演奏されました。5人の演奏者の熱意が伝わってくる演奏に、会場もまた緊張の空気に包まれていました。第1楽章は、うごめくようなティンパニとピアノで始まる、スリリングな展開が印象的な楽曲です。2人のピアニストの豊かな表現に、打楽器の様々な音色が応えていて、見事なアンサンブルでした。第2楽章は静寂の中、楽器間の掛け合いが目立つ楽曲ですが、5人の演奏者は絶妙のバランスで各楽器を響かせていました。第3楽章は木琴の音色が特徴的な快速な楽曲。ティンパニの快活な響きにのって、どの楽器も活き活きと響いていました。一糸乱れぬアンサンブルは、演奏者の心だけでなく、お客さんの心をも1つにしていたように思います。終演後の割れんばかりの拍手がそのことを物語っていた、素晴らしいコンサートでした。

(A. T. )

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