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市村ディットマン朋子 ピアノリサイタル 開催レポート
MIT SCHUBERT vol.III 〜 舞い Tanz 〜
2011年11月25日(金) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 11月25日パウゼにて、市村ディットマン朋子さんのピアノリサイタル「Mit Schubert Vol. III」が開催されました。シューベルト没後180周年である2008年から開始され、シュー ベルトの作品を中心に毎回様々なテーマで繰り広げられている「Mit Schubert」 シリーズ。今回は「舞い」をテーマに、シューベルト、バルトーク、リストの作品で構成されていました。

 最初は、シューベルトの作品が2曲です。1曲目は、《12の優雅なワルツ》D.969 Op.77 。この作品は、シューベルトの友人たちと踊って楽しむために作曲されたとのことです。コロコロと軽やかな音色で細やかな表情をつけながら、踊りのステップを踏んでいるように弾かれ、実際に仲間内で踊っているような親しみを感じられました。

 2曲目の《ハンガリー風のメロディー ロ短調》では、独特なほの暗さを帯びた旋律を、のびやかな息づかいでしっとりと表現されていました。

 この後に、ハンガリーの作曲家であるバルトークとリストの作品が続きます。

 バルトーク《ルーマニア民族舞曲》では、6曲の舞曲の持つ性格の違いが巧みに表され、民族的な香りが漂う白熱した演奏を聴かせてくださいました。

 続く、リスト《メフィストワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」》では、鮮やかなテクニックはもちろんのこと、残酷な笑みを浮かべているような悪魔的な部分と中間部の官能的でロマンティックな部分など、作品の中に込められた物語が鮮明に表現されており、客席を魅了されました。

 後半は、再びシューベルトの作品に戻ります。

 まず始めは、《12のレントラー》Op.171です。素朴でゆったりとした舞曲ですが、音色や間の取り方などを繊細にコントロールされ、非常に味わい深い演奏でした。

 続いて、《ソナタ第13番 イ長調》D.664 Op.120(遺作)です。美しく澄んだ演奏で、無邪気で愛らしい雰囲気に溢れていました。

 最後は、前半最初に演奏されたシューベルトの《12の優雅なワルツ》から2曲が用いられている、リスト《ウィーンの夜会》より〈シューベルトによるワルツ・カプリス第6番 イ短調〉です。リストらしい華やかさが存分に感じられるダイナミックな演奏に客席から盛大な拍手が贈られました。

 鳴りやまない拍手に応え、アンコールにシューベルト《36の独創的舞曲》D 365 Op.9より〈第2曲 変イ長調〉を演奏して下さいました。

 盛りだくさんの内容で様々な「舞い」を堪能できたリサイタル。市村さんの演奏は、いずれの作品も実際に踊っているような躍動感があり、音と動きの密接な関係性を改めて感じさせられました。次回の「Mit Schubert」 シリーズは、2012年12月中旬に開催予定とのこと。非常に楽しみです。

(K.S)

  

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