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華麗なる PIANO QUARTET レポート
〜 カワイ表参道 室内楽シリーズ 〜
2011年11月19日(土) 14:00開演( 13:30開場)
主催:カワイ音楽振興会

会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 本日は生憎の大雨となったにもかかわらず、美しい音楽を楽しみに、たくさんの方が足を運びました。ソリストはヴァイオリニストの加藤えりなさん、ヴィオリストの飛澤浩人さん、チェリストの小川和久さん、そしてピアニストの稲田潤子さん。それぞれの高度な技術と音楽への熱意が結晶したコンサートでした。

 最初に演奏されましたのは、ピアノ、ヴァイオリン、チェロによるアレンスキーのピアノ三重奏曲第1番。第1楽章の演奏が始まった途端、周りの空気を震わすような深みのある音色に、会場は静まりかえりました。音楽が物悲しい様相から一転して晴れやかに盛り上がってゆくところでは、ひょっとしたら今の雨も止んでしまうのではないかと思われるような、輝かしい響きが広がりました。第2楽章はピアノパートの切り替わりを中心に、軽妙さと重厚さがコントラストを成す楽曲ですが、稲田さんは多彩な表現力で、見事に楽曲をリードしてゆきます。第3楽章は各楽器が色々な役割を担当してゆく楽曲ですが小川さんの哀愁漂うチェロ、加藤さんの澄みきったヴァオリン、稲田さんの流れるようなピアノ、どの音色も素晴らしかったです。第4楽章はそれぞれの楽器が感情を一気に噴き出したような激しさがありますが、あたかもそれぞれの楽器が訴えかけてくるようで感動的でした。

 次はヴィオラ独奏によるストラヴィンスキーのエレジー。この曲は、先ほどのアレンスキーとは対照的で、むしろ楽器が内なる想いを秘めているような、神秘的さがあります。飛田さんのヴィオラの音は、1つの楽器で演奏しているにも関わらず、まるで複数の声が呼びかけ合っているようで、この曲の神秘的な様相を見事に表現していました。

 最後のプログラムはドヴォルザークのピアノ四重奏曲第2番。本日登場したソリストが勢揃いし、さらに層の厚いアンサンブルが展開されました。特に素晴らしかったのが終楽章。性急な踊りを想わせるような楽曲ですが、各楽器間のコミュニケーションが見事で、安定した伴奏の中、メロディーがバトンのようにテンポよく受け渡されていました。集中力の高い演奏に、会場は最後まで心地よい緊張感に包まれていました。弦楽器とピアノによるアンサンブル曲は、西洋音楽にたくさんありますが、ぜひ今日の4名のソリストでもっと様々な演目を聴いてみたいと思いました。

(A. T. )

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