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♪♪♪ 17〜20世紀の舞曲集 ♪♪♪
エリザベータ・ステファンスカ&遠藤郁子
ジョイントコンサート 開催レポート
〜20歳の出会い。以来46年間姉妹の様に育った2人の絆と共に〜
2011年7月21日(木) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 7月21日、パウゼにてエリザベータ・ステファンスカ&遠藤郁子 ジョイントコンサートを聴きました。お二人は、20歳の頃からのお知り合いだそうですが、ジョイントコンサートは初めてとのこと。この豪華な共演に期待も高まります。

 前半はステファンスカさんで、主にバロック時代に演奏されていた鍵盤楽器、チェンバロでの演奏が聴かれました。クープラン《古き偉大な吟遊詩人たちの年代記》は、5幕の劇の多彩な情景が目に浮かんでくるような演奏でした。

 バルバトルの作品からは3曲が演奏されました。とりわけ《ラ・マレシュルブ》では、ストップでの音の変化がとても効果的で、幻想的な世界が広がりました。

 オギンスの《3つのマズルカ》は、ポーランドで最も古いマズルカの1つとのことですが、ショパンに通じる舞曲のリズムが聴かれ、心地よい躍動感が非常に魅力的でした。

 最後のソレール《ファンタンゴ》は、多彩な表情の変化に加え、手の交差や連打、細かいパッセージといったヴィルトゥオーソさが発揮されました。

 ステファンスカさんの演奏は、安定感抜群のテクニックがあり、そしていつでも聴き手を楽しませてくれる表現力豊かな熱演で、会場からは大きな拍手が贈られました。

 後半はお馴染みのピアノに代わり、遠藤郁子さんの演奏です。若かりしショパンのポロネーズ2曲からはじまりました。遠藤さんの魅力の1つは、何と言っても得も言われぬほどの美しく優しい音!そこから紡ぎだされる音楽は、あたたかい雰囲気に包まれていました。続くショパン《4つのマズルカ》作品24も実に美しく、表情豊かに歌いあげられる旋律が、心に染み入ってきました。

 シマノフスキのマズルカでは、現代的な響きから生き生きとしたマズルカのリズムが際立ちました。とりわけ第6番は、「どろぼうを描いている」とおっしゃられた通り、ミステリアスな情景が見事に表現されていました。

 愛らしい、パデレフスキ《メヌエット ト長調》に続き、最後にザレンプスキ《ポロネーズ》作品6が演奏されました。日本ではザレンプスキの作品が弾かれることは少ないのですが、とても美しい作品で、クライマックスに向けて情熱的な力強さで音楽が進められました。

 アンコールには、ステファンスカ先生がよく弾いておられたという《マズルカ》作品68−3をしっとりと演奏され、演奏会を締めくくりました。

 このコンサートでは、お二人とも演奏の前に曲目について簡単にお話してくださったことも魅力の1つだったように思います。演奏家の生の言葉によって、より音楽を楽しむことができたのではないでしょうか。二人の巨匠の素晴らしい演奏に酔いしれた、本当に贅沢な一夜となりました。

(M.K.)

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