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ピアニスト 田崎悦子 in Joy of 室内楽シリーズ 第3夜 開催レポート

(Chamber music series Vol.3)
〜ゲスト・アーティスト ヴァイオリニスト 篠崎史紀氏〜
情熱と個性が火花のようにぶつかりあう、夢の共演!!

 

 1月22日パウゼにて、「ピアニスト田崎悦子 in Joy of 室内楽シリーズ 第3夜」と題されたとても興味深い室内楽のコンサートが開催されました。このコンサートは、世界的に活躍するピアニストの田崎さんが、ゲスト・アーティストを迎え、若手とともに室内楽を創り上げていくというものです。シリーズ3回目となる今回も、NHK交響楽団のコンサートマスターの「まろさん」こと篠崎史紀さんがゲスト・アーティストという豪華な顔ぶれ。そしてもうひとつの特徴は、リハーサルも公開し、その成長過程も見聞きすることができるということです。残念ながら、筆者は公開リハーサルに足を運ぶことができなかったのですが、どうアンサンブルが仕上がったのか、期待を胸に会場へ向かいました。

 「三大作曲家の青春」という副題のもの、演奏されたのはベートーヴェン、ブラームス、シューベルトの作品です。まずは、ベートーヴェンの《ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第1番 ニ長調》Op. 12-1で、田崎さんと篠崎さんのお二人によって演奏されました。お二人ともそれぞれの個性を出しながらも、1つのアンサンブルとして、うまく絡み合った素晴らしい演奏でした。生き生きとしたフレーズ運びは、若きベートーヴェンの息吹を感じさせるものがありました。

 続いて、ブラームス《ピアノ三重奏曲 第1番 ロ長調》Op. 8。ここでは、桐朋学園大学音楽部1年の三井静さんのチェロが加わりました。三井さんはお二人の巨匠に囲まれ、いささか緊張ぎみに登場したように見えましたが、曲が始まると実に堂々とした演奏ぶり。チェロが主題を導く重要な役割を果たす箇所がありますが、とても美しく歌い上げていました。

 最後は、シューベルトの名曲、《ピアノ五重奏曲 イ長調「ます」》Op. 114, D. 667です。この曲では、桐朋学園大学音楽部2年の古屋聡見さんがヴィオラを、桐朋学園大学音楽部3年の鈴木皓矢さんがチェロを、そして桐朋学園大学研究科2年の加藤雄太さんがコントラバスを演奏しました。ここでの若いアーティスト3人も、非常にのびのびと、アンサンブルを心から楽しんでいるように感じられました。一人の演奏家としてそれぞれが刺激し合い、音の対話がなされているような見事な演奏でした。

 終演後には、あちこちから「素晴らしかった!」という声が聞こえてきました。もちろん参加した若手にとっては、非常に貴重な実り多い経験になったことでしょうが、私たち聴き手にとっても、素敵な一夜となりました。

(M.)

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