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UNA STORIA PIANISTICA di YOSHIKAZU JUMEI con amici-vol.2 開催レポート
寿明義和 ピアノで紡ぐ物語 《継がれゆくロシアン・ロマンティシズム》  
〜ヴァイオリニスト 佐藤久成 氏とチェリスト ドミトリー・フェイギン氏を迎えて〜
2010年1月9日(土) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 

 

 1月9日、パウゼにて「寿明義和 ピアノで紡ぐ物語《継がれゆくロシアン・ロマンティシズム》」を聴きました。国内外で活躍するピアニスト寿明義和さんが、サロン向けのピアノ小品や、ゲストと共に室内楽を取り上げるというシリーズの第2弾です。

 前半は、寿明さんのピアノ・ソロで、ロシア人作曲家の小品が12曲演奏されました。これらの作曲家は、A. ルービンシュタイン、M. グリンカ/ M. バラキエフ、A. リャードフ、A. アレンスキー、A. ボロディン、S. ラフマニノフ、M. ムソルグスキー、N. リムスキー=コルサコフと、普段あまり聴くことの多くない作曲家による作品も多く並びました。ほとんどの作品は、決して派手なテクニックを駆使するようなものではなく、叙情的で至極の美しさにあふれ、雄大さとあたたかさで包み込むように表現されていました。筆者にとって初めて聴く作品がいくつかありましたが、多くの聴衆にとっても、ロシア音楽のピアノ小品の魅力に開眼させられる演奏だったのではないでしょうか。

 後半は、精力的に活動されているヴァイオリニスト佐藤久成さんと、ロシア出身のチェリスト、ドミトリー・ヴァレンティノヴィッチ・フェイギンさんを加えたピアノトリオです。曲は、チャイコフスキーの名曲《ピアノトリオ「偉大な芸術家の思い出に」》イ短調 作品50。それぞれの個性が光りつつも、1つのアンサンブルとして音楽に対する熱い想いが結実した演奏だったと思います。切ないほどの哀愁、そしてほとばしり出る情熱が聴く者を捉えて離さない、実に見事な熱演でした。

 超満員の会場からの盛大な拍手に応え、アンコールにアレンスキーの「エレジー」が演奏されました。最後まで、ロマンティックなロシア音楽の魅力を存分に楽しむことのできたコンサートとなりました。(M.)

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