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日本シマノフスキ協会 第24回例会
ピアノ作品によるシマノフスキとショパンの夕べ 開催レポート
2009年11月4日(水) 19:00開演( 18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
段々と本格的に寒くなってまいりました。表参道を通る人々にもコートを着る人がちらほら見え始めています。さて、今回の演奏者、平澤真希さんはポーランド在住のピアニスト。ポーランドと日本を中心に、世界各国で精力的に演奏活動をなさっている方です。今日は前半シマノフスキ、後半ショパンという、ポーランドの大作曲家の世界を存分に味わえる魅力的なプログラムということで、会場には多くのお客様が集まりました。気さくな笑顔でステージに登場した平澤さん。終始リラックスして演奏されていたようで、演奏することを楽しんでいる様子がよく伝わってきました。冒頭の自作曲は、ドビュッシーに近い響きがきこえてくる印象派風の作品。春の日差しが目に浮かぶような素敵な曲でした。続くシマノフスキの作品、「9つの前奏曲」ではショパンにも通じる美しい旋律を際立たせます。一方、「仮面劇」ではシマノフスキ特有の神秘的な響きを絶妙な鍵盤のタッチで実現、聴きごたえある演奏でした。
後半はオール・ショパン・プログラム。ショパンの作品における即興的な要素についてはよく指摘されますが、平澤さんの演奏はまさに「即興」を感じさせるものだったように思います。例えば有名な「子犬のワルツ」も、急速に鍵盤を駆け巡るかと思えば、ルバートをたっぷりかけてみたりと、変幻自在。その場の気分が演奏に反映されているかのような、とても楽しい演奏でした。また、「バラード第3番」や「マズルカロ短調」作品33−4では叙情的な表現が際立ちました。そして最後の「英雄ポロネーズ」を力強く、豪快に演奏し終えると、客席からは大きな拍手がおくられました。アンコールには映画「戦場のピアニスト」でおなじみの、ショパンの「ノクターン嬰ハ短調」など2曲を演奏、美しい余韻を残しつつ演奏会を締めくくりました。
ポーランドの大作曲家の名作を、のびのびとした自由な演奏で楽しませてくださった平澤さん。次回の来日の際も是非素敵な演奏を聴かせてください!
(M.S.)
恩師の先生方と、日本シマノフスキ協会代表と恩師の先生。
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