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第8回 ロシアン・ピアノスクール in東京 2010
『夢の扉を拓く、7日間』
ロシアン・ピアノスクール受講生による演奏会 開催レポート
2010年8月16日(月) 15:00開演
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
無料(全自由席)※予約制

 世界最高峰のモスクワ音楽院から著名な先生方が来日し、レッスンをしてくださるロシアン・ピアノスクールin表参道。受講生の中には、後に国内外の著名な音楽コンクールで上位入賞を果たす方も多く、毎年極めてレヴェルの高いレッスンが行われています。

 今日は講座の締めくくりとして、受講者の中から選抜された7名による演奏会が行われました。猛暑の中大勢のお客様が「パウゼ」に駆け付け、開場前から長蛇の列ができていました。ドレンスキー先生、ピサレフ先生、ネルセシアン先生も客席から見守る中、演奏会は始まりました。

 最初にステージに登場されたのは、中村芙悠子さん。モーツァルトの《パイジェルロの歌劇による「哲学者気取り」の「主に幸いあれ」による6つの変奏曲》ヘ長調KV398を美しい音色で演奏されました。音色のコントロールも巧みで、特に短調部分のタッチの変化が印象的でした。

 中村芙悠子

 続いては伊澤悠さんによる、ベートーヴェンの《ピアノソナタ》第24番「テレーゼ」です。柔らかく優しい音色で美しく歌い上げ、この作品の魅力を十二分に表現。ピアニッシモの響きが心地よく耳に響いてきました。

 伊澤悠

 華やかな演奏を繰り広げたのは浅川真衣さんです。高音のキラキラしたパッセージ、情感豊かなカンタービレと、多彩な音色を使い分け、シューマンの《アヴェッグ変奏曲》を弾き切りました。

 浅川真衣

 今回の演奏会でただ1人フランスものを取り上げた吉武優さんは、ドビュッシーの《前奏曲集》第1集より「西風のみたもの」と「バックの踊り」を演奏。優れたテクニックによる安定した演奏を展開していきました。筆者は吉武さんの演奏会を過去に何度か聴いたことがありますが、着実に演奏経験を重ね、成長されているようです。

 吉武優

 この後はロシアの作品が続きます。プロコフィエフの《ピアノソナタ》第7番第1楽章を演奏されたのは滑麻理さん。比較的抑制されたテンポで、より旋律の輪郭をはっきりと際立つように表現。強靭な打鍵と高度なテクニックが冴え渡った熱演でした。

 滑麻理

 続く内田卓也さんはラフマニノフの《音の絵》より作品33−8、作品39−1を演奏。1曲目はメランコリックな旋律を繊細に表現。一方2曲目は対照的に高度なテクニックが冴えわたり、スケールの大きな演奏を繰り広げました。

 内田卓也

 最後の演奏者、栗田奈々子さんは、プロコフィエフの《ピアノソナタ》第6番より第4楽章を演奏。強靭な打鍵とメリハリの効いた表現で、狂気ともいえるこの作曲家の世界を存分に引き出し、聴き手を魅了しました。

 栗田奈々子

 さすが、選抜された方々だけあって、演奏は極めてハイレヴェル。またの機会に、それぞれの奏者のリサイタルも聴いてみたいと思わせる、そんな演奏会でした。出演者の皆さんが、今回のレッスンをきっかけに今後更に羽ばたいていかれることを期待します。

(M.S.)

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