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 ホーム(ニュース)トピックス > 2009年 > ロシアン・ピアノスクールin東京2009 講師模範演奏 開催レポート

ロシアン・ピアノスクールin東京 2009
講師模範演奏 開催レポート
2009年8月11日(火)
17:00開演
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 すがすがしく晴れた空のもと、夕刻の表参道パウゼにはたくさんの人が集まりました。今年で第7回を迎える<ロシアン・ピアノスクールin東京>の幕開けとなる本日は、このスクールの講師で、チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院ピアノ科教授でいらっしゃる、ネルセシヤン先生とピサレフ先生のジョイント・コンサートでした。会場には、ピアニストを志す若い方から先生方のファンまで、幅広い層の人たちがつめかけ、開演前からかなりの熱気が立ち込めていました。

 

 前半はアンドレイ・ピサレフ先生がショパンを2曲演奏されました。1曲目の前奏曲 嬰ハ短調op. 45は、ノクターン風の流麗なパッセージの流れに、巧みな転調がなされていく曲です。ピサレフ先生は、大げさすぎずとても自然なやり方で、一つ一つのフレーズを丁寧に紡ぎながら演奏されました。2曲目のピアノソナタ第3番 ロ短調 op. 58は4つの楽章からなる、ショパン円熟期の壮大な楽曲です。ロマンチックな楽想を最大限に生かすため、浸りすぎず、淡白になりすぎず、といったバランスを大事にしているところに、洗練された音楽観が表れていました。それだけでなく、内に秘めた憂いが漂ってくるような演奏には、聴き手の心をひきつけて離さない魅力がありました。そんなピサレフ先生の演奏に、ピアノ上達への鍵を求めて、どの受講生も熱心に聴き入っていました。

 後半はパーヴェル・ネルセシヤン先生です。まず最初はシューマンのアベッグ変奏曲です。冒頭のA B E G G を基にした主題を聴いたとき、これほど純粋で美しい高音があるのかと思うほどでした。この主題は変奏された形で何度も登場し、登場のたびに耳に印象深いのですが、表現されるフレーズの性格が毎回違っていて、聴き手を次から次へと引き込んでいきました。こうした説得力ある、とても心地よい演奏は、ショパンでも聴くことができました。スケルツォ第4番 ホ長調op. 54、3つの新しい練習曲、ポロネーズ第5番 嬰ヘ短調 op. 44を演奏されましたが、特に感動の渦を会場に巻き起こしたのは最後のポロネーズでした。ポロネーズ特有のリズムが、低音で地鳴りのように繰り広げられるところに、聴衆はみな圧倒されていました。

 カーテンコールはお二人で登場され、鳴り止まない拍手に、お二人とも深いお辞儀で応えていました。こんなに素敵な演奏をされる先生方、ご指導もきっと素晴らしいはずです。今回のピアノスクールで、受講生たちがどんな風に成長なさるのか、楽しみです。 (T.)

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