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●ロシアン・ピアノスクール in 東京 2019
受講生選抜演奏会 開催レポート
2019年8月15日() 19:00開演
会場:カワイ表参道

 8月11日から連日5日間にわたって開催されてきた「ロシアン・ピアノスクール in 東京 2019」も、いよいよ最終日。全国から厳正な審査を通過して参加してきた受講生全15名から、特に優秀と認められた4名の受講生による「受講生選抜演奏会」が開かれました。ファイナルを飾る、栄えある演奏会。客席の最後列からは、音楽顧問を務めたチャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院ピアノ科のセルゲイ・ドレンスキー教授、講師を務めた同音楽院ピアノ科のアンドレイ・ピサレフ教授とパーヴェル・ネルセシヤン教授が見つめます。

 ピアノスクールの期間中、受講生達は各々複数の楽曲を課題に、両教授から公開レッスンと個人レッスンをじっくりと受け、多くのことを学びました。その成果が最終の演奏会でどのようなかたちとなって表れるのか、楽しみな場でもあります。

 最初の演奏者は、渡辺彩乃さん(大学2年)。曲目は、ショパンの「ノクターン ロ長調 Op.62-1」です。柔らかなベールを被った、夢のような音色が印象的でした。ファンタスティック。静けさの世界を、見事に貫きました。

 続いて、上原琢矢さん(大学4年)。曲目は、ショパンの「スケルツォ 第4番 ホ長調 Op.54」です。素速いパッセージのデリケートなニュアンスが絶妙。速く回る指を駆使して、きわめて軽やかに、優美に演奏しました。

 続いて、黒木雪音さん(大学3年)。曲目は、チャイコフスキーの「18の小品より『瞑想曲』Op.72-5」と、メンデルスゾーンの「スケルツォ」です。エンターテイナー的要素に富んだ楽しい演奏。聴き手をワクワクさせる魅力があって、オーケストラのように華やかでした。

 最後の演奏者は、コンスタンチン・エメリヤーノフさん(国立モスクワ音楽院)。曲目は、ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカからの3楽章」です。原始と野生。はち切れんばかりの本能的エネルギーをもつこの楽曲を、圧倒的迫力で演奏。激しさと洗練さとを合わせ持った、素晴らしい演奏でした。

 すべての演奏を終え、最後はステージに4名揃って、横一列に並んでのご挨拶です。若きピアニスト達の健闘に、客席からはあたたかな拍手が贈られました。教授陣とも固い握手。この貴重な経験はきっと、未来に向けての大きな糧となることでしょう。今年も実り豊かな「ロシアン・ピアノスクール」となりました。

(H.A.)

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