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●ロシアン・ピアノスクール in 東京 2016 Russian Piano School in Tokyo
受講生選抜演奏会開催レポート
2016年8月18日(木)18:30開演 ※18:15開場 
会場:カワイ表参道 〈東京メトロ表参道駅A1出口徒歩1分〉
主催/カワイ音楽振興会
  

佐藤 麻里亜さん

小井土 文哉さん

鈴木 宏英さん

小竹島 紗子さん

秋山 紗穂さん

コンスタンチン・ハチキャンさん

 本日で2016年のロシアン・ピアノスクールも最終日、恒例の受講生選抜演奏会が行われました。今回は8人の受講生が選ばれ、そのうち6人が演奏会で演奏を披露してくださいました。

 まず佐藤麻里亜さんが演奏されたのはシューマンの《アベッグ変奏曲》。ロマン派ならではの繊細な感情表現が、変奏ごとに異なった形で豊かに表現されていました。また、軽妙なパッセージの妙も味わわせてくれる演奏だったと感じました。

 続けて小井土文哉さんはチャイコフスキーの《ドゥムカ》を演奏。沈思するような静かな楽想に、溌溂とした技巧的部分が挟まれている曲ですが、その両方が互いを引き立てており、演奏者の構成力が発揮されていました。

 鈴木宏英さんが選択されたのはエネスクの《組曲 第2番》から〈トッカータ〉でした。和声と対位法の色彩豊かな響きが丁寧に織り上げられており、「トッカータ」という題名から想像される巧みな技法よりも表現力の高さを強く感じさせる演奏でした。

 小竹島紗子さんのカプースチンの《トッカティーナ》は、ジャズとクラシックが融合した、技巧が問われる曲として有名です。音がこちらへと迫ってくるようなダイナミックさと、ジャズの語法に宿った一種の「熱」が感じられました。

 秋山紗穂さんが演奏されたのは、初期ショパンの大作《華麗なる変奏曲》。サロン的な爛漫な明るさとショパン作品の纏う物悲しさが編み合わされた作品です。「華麗なる」という題名通りの、ころころと駆けまわるパッセージのそれぞれをきちんと表現されており、またそれを支えるリズムも確かなものでした。

 モスクワ音楽院のコンスタンチン・ハチキャン Konstantin Khachikyan さんの演奏されたショパンの《幻想曲》が演奏会のトリを飾りました。繊細なタッチで奏でられる弱音と、力強く重量感のある強音が曲中で使い分けられ、大曲をしっかりまとめ上げる手腕を感じました。

 ピサレフ、ネルセシアン両先生が「演奏会の選抜に苦労した」とおっしゃるほどに受講生の皆さんの水準が高かった今回、受講生の皆様が、短い公開レッスンの中でも先生方のアドバイスをしっかり吸収して、自らの演奏の糧にしていらっしゃることが、強く印象に残りました。今回演奏された方々も、演奏されなかった方々も、受講生の皆様にとっては、短くも実りある、素晴らしい一週間になったのではないでしょうか。

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