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●ロシアン・ピアノスクール in 東京 2015
受講生選抜演奏会 開催レポート
2015年8月15日(土)18:30開演 
会場:カワイ表参道 〈東京メトロ表参道駅A1出口徒歩1分〉   

 今年も暑い中、8日間にわたって連日開講された「ロシアン・ピアノスクール in 東京 2015」もついに最終日。そのフィナーレとして、厳正な審査を通過して参加した全24名の受講生の中から、さらに講師によって選ばれた6名の受講生達による演奏会が開催されました。

 客席の後方には、毎年講師を務めている、国立モスクワ音楽院のセルゲイ・ドレンスキー教授、アンドレイ・ピサレフ教授、ハーヴェル・ネルセシヤン教授。お馴染みの三教授が勢揃いしました。緊張しますね!

 今回もみっちりとしたスケジュールで行われた、至高のレッスン。そこで受けた貴重なアドバイスを、これからどう生かしていくか……。受講生の皆さんはとても引き締まったいい表情で、演奏に望んでいました。

 最初に登場したのは、横井舞菜さん(高校1年)。曲はバッハのパルティータ第1番より、プレリュード、アルマンド、クーラントです。趣の深い、心を込めた演奏。バッハを歌う心に溢れていました。

 続いて、鶴澤奏さん(大学3年)。曲はドビュッシーの前奏曲集第2集より「花火」です。輝くような美音を連ねて、絶えず変化する花火の様を神秘的に、華やかに表現していました。

 小竹島紗子さん(大学院1年)は、メトネルの4つのおとぎ話Op.26からの選曲です。あたたかくフレンドリーな第1番、ユニークなリズムに心躍る第2番。いつまでも聴いていたくなるような、心地よい演奏でした。

 鈴木宏英さん(大学4年)は、リストの巡礼の年第3年より「エステ荘の噴水」です。豊かにわき出してはしぶきを上げ、光をキラキラと反射する噴水。弛まず変化する噴水の様相を、繊細な感性で表現。クライマックスのスケールの大きさは圧巻でした。

 高木竜馬さん(大学4年)は、ブラームスの4つの小品Op.119からの選曲です。温和で自然体、さりげなさが素晴らしい第3番・間奏曲。厳格で理知的、熱い心を併せ持った第4番・狂詩曲。いぶし銀の名曲をとても丁寧に、瑞々しい感性で表現していました。

 ラストは、アルセーニー・タラセーヴィチ=ニコラーエフさん(国立モスクワ音楽院)。曲はベートーヴェンのピアノ・ソナタ第14番「月光」です。第1楽章は永遠の静寂の中での苦悩、不安……。揺らぐ心を繊細に表現。青白い月の光に包まれているような神秘的な感覚でした。第2楽章は第1楽章の雰囲気をそのまま引き継ぐユニークな解釈で、興味深いものでした。そして第3楽章。圧巻のテクニックでシャープに、そしてロマンティックにクライマックスを頂点へと導きました。見事な迫力でした。

 白熱の演奏を終えて、受講生6名が舞台に並んで盛大な拍手に応えました。清々しい笑顔が印象的です。そして鳴り止まない拍手の中、6名は舞台から降り、そのまま歩いて客席の後部へ。ドレンスキー教授、ピサレフ教授、ネルセシヤン教授と、各々固い握手を交わしました。素晴らしいシーンでした!!

 こうして幕を閉じた今年の「ロシアン・ピアノスクール」。夢の8日間を心の中に大切に留めながら、また次回を楽しみに待ちたいと思います。

(H.A.)

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