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●ロシアン・ピアノスクール in 東京 2014
●受講生選抜演奏会 開催レポート
2014年8月16日(土) 18:30開演 18:15開場
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
鐵百合奈さん
尾崎未空さん
内門卓也さん
松橋朋潤さん
小井土文哉さん
Alexey Melnikovさん
Chi Ho Hanさん
若いピアニストの方々がさらなる研鑽に励んだ、8日間にわたるロシアン・ピアノスクールも、いよいよ最終日となりました。本日は受講生の中から選ばれた7名による選抜演奏会。1時間ほどの短いコンサートですが、このピアノスクールのレヴェルの高さを示す、大変聴き応えのあるコンサートでした。
最初に登場されたのは鐵百合奈さんで、演目はシューマンのピアノ・ソナタ第1番第1楽章。豊かな表現力でコントラストのある音楽世界を創り上げていらっしゃいました。次に登場されました尾崎未空さんは、ショパンのスケルッツォ第3番を披露。スピード感のある一方で細やかな音の表情にも気を配った演奏が印象的でした。続く内門卓也さんはショパンの《舟歌》を大変軽やか且つ滑らかな音色で演奏されました。お客様の中には、水面を滑ってゆく舟を思い浮かべた方が多かったのではないでしょうか。
さて前半のプログラムが主に19世紀前半の作品だったのに対し、後半のプログラムは19世紀後半から20世紀の作品が並びました。4番目に登場したのは松橋朋潤さん。ラヴェルの《クープランの墓》から<プレリュード>と<トッカータ>を華やかに演奏し、会場の空気を湧かせました。その次に演奏されました小井土文哉さんは、優雅な音楽創りが魅力的で、スクリャービンの<2つの詩曲>をお洒落に仕上げていらっしゃいました。その次に登場されましたのはAlexey Melnikovさん。スクリャービンのピアノ・ソナタの第2番を、第1楽章はとても繊細に、第2楽章は勢いよく演奏されました。特に第2楽章は技巧的な楽曲ですが、抜群の安定感が印象に残りました。さて最後に演奏されましたのは、Chi Ho Hanさんで、プログラムはリストの超絶技巧練習曲第12番「雪かき」とラフマニノフの絵画的練習曲集第9番。Hanさんの演奏は大変迫力のあるものでした。量質ともに重厚な音色に、会場からは大きな拍手があがりました。
このコンサートはもちろん講師の先生方も聴いていらっしゃり、終演後は出演された受講生の皆様が先生方のもとに感謝の気持ちを伝えようと駆けてゆく光景が見られました。今回のピアノスクールが、関係された全ての方々にとって、より音楽と深く向き合うための足掛かりになることを祈ります。
(A. T. )
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