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●ロシアン・ピアノスクール in 東京 2014
●講師模範演奏
アンドレイ・ピサレフ ピアノリサイタル 開催レポート
2014年8月12日(火) 19:00開演 開場18:30
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 連日、中身のぎっしり詰まった、充実したレッスンが続く「ロシアン・ピアノスクール in 東京 2014」。第4日目の夜は、講師アンドレイ・ピサレフ教授によるコンサートが行われました。

 レッスンでは、テクニックに関する細やかなアドヴァイスから、音楽の深み・高みに至るまで、行き届いた内容にひたすら感心。勉強になる〜!の連続でした。その先生自らが、今度は実際にピアノを演奏して聴かせてくださるという。これはもう、必聴です。

 まずはモーツァルト。「幻想曲・ニ短調 K.397」では、自己の心の内を見つめ、もっともっと見つめ、突き詰めて……。揺れる心模様が、ピアノの一音一音の響きに繊細に現れます。この内省的な音楽は、後半の一点の曇りもない晴れやかなクライマックスへと、見事な変貌を遂げました。「ロンド・ニ長調 K.485」は、美しく澄んだ音色。爽やかに駆け抜けていきました。

 続いては、ベートーヴェン最後のピアノ・ソナタである「第32番・ハ短調 作品111」。渋く劇的な第1楽章では、特徴的なテーマが様々な形で何度も現れます。一つのテーマを、使って、使って、使い尽くす、天才ベートーヴェン。その至高の技に対峙するピアニストの鋭さ、凄まじさに興奮です。そして、果てしない世界観、人類のすべての境地を超越したかのような第2楽章。後半から表れる長い長いトリルは、あまりにまばゆく歓喜にあふれ、聴き手を夢幻の世界へと誘う演奏でした。

 最後は、ラフマニノフです。「10の前奏曲 作品23」より「第6番・変ホ長調」では、その甘美なメロディーと音色にうっとり。ロマンティックの極みとは、このことではないでしょうか。「絵画的練習曲 作品33」より「第8番・ト短調」では、澄んだ、クリアな響きに驚き。ロシアの透き通った空気、ロシアの大地を想わせました。同じく「第9番・嬰ハ短調」の、秘めた情熱、ほとばしる思い。劇的なクライマックスは圧巻でした。

 そして、アンコールです。リストの「慰め第3番」での、夢の中のような美しい音色。ショパンの「ワルツ第7番・嬰ハ短調」での、即興性に満ちた自由自在なワルツ。ピアノという楽器の幅広い表現力、ありとあらゆる様々な要素がたくさん示された、素晴らしい模範演奏でした。

(H.A)

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