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第19回「コンサートはお話し付きで」
現在日本では、お話しを交えた演奏、いわゆる「トークコンサート」の形態が非常にポピュラーになってきています。
特に小規模のサロンでは、演奏家の生の声で、作品の解説や演奏家自身のエピソードなどを、聴衆の皆様にお届けすることで、聴き手と弾き手の距離がグッと近くなることを常々感じています。
私自身にとっても、弾くだけでなく声に出して伝えることで学ぶことが多く、弾く&話すの一人二役をこなすのにも慣れ、だいぶ楽しめるようになってきました。それでもやはりどこかで演奏に集中しきれない感覚があるのも事実です。
ポーランドでも、コンサートは「お話し付き」が一般的です。しかし日本と違うのは、「話し手」が存在する点。コンサートの主催者であったり、俳優や声優であったり、「トーク」の専門家がコンサートのはじめや曲間に丁寧な解説を入れてくださるので、演奏家は演奏に集中できますし、作品の空気を作って頂けるので、自然な流れで演奏に入ることができます。
先日、ポーランド北西部の町Grudziadz(グルジョンツ)にある、小さな博物館で演奏させて頂いた時の写真です。俳優のKrzysztof Janczar(クシシュトフ・ヤンチャル)さんがショパンの手紙や、ショパンと同時代の芸術家や詩人の言葉を朗読してくださいました。
博物館ではZofia Stryjenska(ゾフィア・ストリイェンスカ1891-1976)というアール・デコに属するポーランドの女流画家(兼版画家、イラストレーター、舞台芸術家)の絵画展が開かれていました。ポーランドの古き美しき繁栄の時代がシンプルに表現されていて惹き込まれました。
http://www.muzeum.grudziadz.pl/wystawa.html?imprezyID=71
「ワルシャワはすっかり冬の表情」
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