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 ホーム(ニュース)根津理恵子のポーランド通信第10回「手づくり最高!!!」

第10回「手づくり最高!!!」

 

 5月はお花が最も美しい時期!

ポーランドの人はとてもおもてなし上手。いつも週末になると多くの家庭でホームパーティーが開かれ、冬の寒い時期にはみんなで暖炉を囲み、今頃の時期にはお庭にテーブルを出しオープンカフェ気分で…と、年中親しい仲間で集まり、食べて飲んで語り合います。

親しい仲間といってもその範囲は広く、さまざまな分野の人が集い、話題も政治・経済から芸術まで多岐にわたります。私も何度かそういった席にお招き頂きましたが、皆さん自分の専門分野でないことにも詳しかったり、またはとても興味を持たれていたりといったお姿には感動し、何よりの刺激になります。

 庭に咲いたお花でフラワーアレンジメント。
 パーティーに華を添えています。

 

さてさて、そんなにぎやかな席に欠かせないのが、彩りを添える「手づくり」の品々。お料理やお部屋のコーディネートなど、すべて心のこもったお手製のもので埋め尽くされ、お客さんを温かく迎えてくれるのです。

しかしお料理以上に、この国の人が特に気合いを入れて手づくりするものといえば、ケーキやクッキーなどのお菓子類。ひとつのパーティーに10種類近くの焼き菓子が並ぶことなんてザラで、こんなにたくさん作ってどうするの!?と思ってしまうほど。でもその存在が場をホッと和ませてくれます。

なぜ手づくりお菓子にこだわるのか、その理由はいたってシンプル。お店で売っているケーキは恐ろしく高価か、あるいはとーってもマズイか…のどちらかだから。でも理由はどうあれ、手づくりには愛情がこもってますから、それだけでも充分「美しい味」を感じるもの。

恵まれた日本で忘れかけていたそんなシンプルな喜びや魅力を、あらためて気付かせてもらって以来、私もすっかり手づくりにハマっています!

例えば友達を呼んで手づくりクッキーパーティーを開くとか、演奏会のプレゼント用にケーキを焼くとか……、娯楽の少ないワルシャワ生活においては、こういう時間が極上の癒しになるのです。

日頃お世話になっている先生ご家族にも、これまで何度もクッキーやスコーンを焼いて召し上がって頂きましたが、特に喜ばれるのが抹茶を使ったお菓子。

初めて目にした時は、えー!みどり色のお菓子って何!?と度肝を抜かれたらしいですが、今となってはよくリクエストされるので、私のスーツケースにはいつも抹茶の粉が詰め込まれています。 

でも、日本からワルシャワへ到着する度、先生のお嬢さん(8歳)から「おかえり〜リエコ、いつミドリのクッキー焼いてくれるー?」と聞かれてしまうのは困りもの。「リエコはクッキー焼きに来たんじゃないの!!ピアノ弾きにきたのよ!!!」と真顔でツッコミを入れる先生も先生ですが…(笑)。そんな先生も今、プレゼント用ケーキ作りの真最中!お家にいい香りが広がってます〜♪

一音ごと、ワンフレーズごとに試行錯誤をくり返し、作り上げた演奏に個性が光るのと似た感覚で、手づくりって本当にすばらしいですね!

 

次回はこちら

  


 掲載元:「あんさんぶる」2007年5月号より転載。(あんさんぶる編集室に転載許可済み)
あんさんぶる編集室(
カワイ音楽教育研究会 機関誌)に無断で転載することを禁止します。

 

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