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 ホーム(ニュース)根津理恵子のポーランド通信第3回「ご当地コンサート!」

第3回「ご当地コンサート!」

 

 

 梅雨明けが待ち遠しい今日この頃。只今私、一時帰国中です!

 光栄なことに6月から7月にかけて日本各地でコンサートを企画して頂いていますが、うれしい出会いあり、忘れがたい思い出やハプニングもあり、その土地ならではの感動に心躍らせる日々を過ごしています!その度に日本の恵まれた環境にあらためて感謝したり、ヨーロッパの奔放さをたまーに懐かしく思ったりもします。


パデルフスキーが暮らした家(ポーランド)

 そこで今回は日本とヨーロッパにおけるご当地コンサートについてお話ししてみようと思います!

 日本では一つの演奏会に向けて1年以上も前から日程を決定し会場を予約、チラシやポスターも遅くとも3ヶ月前には華やかでおしゃれなデザインのものが出来上がり、着々と準備が整っていきます。

 それに対して、ポーランドでは開催日の1週間前に突然演奏依頼があることなどは日常茶飯事、3日前にまだ会場が決まってないことすらあります。もちろんチラシも直前に簡素なものを作るだけ、特に大きな宣伝をするわけでもない。「本当に演奏会できるの??」としばしば不安に駆られます。ところがいざ開場してみると次から次へお客さまが集まっていらして、みるみるうちに会場は満席になるのです。

(日本には音響や設備の充実したホールが星の数ほど存在しますが、コンサート用大ホールが少ないポーランドでは、よく教会や宮殿が会場になります。カトリック教徒にとって最も身近な存在の教会ですから、ふと立ち寄られる方が多いのかもしれません。)

 結果的に大勢のお客様にお越し頂けてうれしいのですが、直前まで何かと心臓に悪いです(苦笑)。

 ポーランドではさらに演奏家の用意する曲目に関してもフレキシブルで、当日の大幅なプログラム変更も全く問題なく、時には演奏家が急遽変更になっても文句を言う人はあまりいません!ビックリしてしまいますが、これもお国柄でしょうか(笑)!?

 聴衆の反応はというと、好みの演奏に対して熱狂的であるのは、程度は違えど全世界共通です!逆に気に入らなかった時のヨーロッパ人の冷酷さには、恐ろしいものを感じます。だからこそ熱い拍手を頂いた時の感動は計り知れません!!

 

リサイタル前に「軽食」として出して頂いたお料理。
演奏前にこんなにたべきれません!!(ポーランド)

 外国でのコンサートはハプニングも付き物です。

 会場に向かう途中の道が渋滞していて、到着した時にはリサイタルの開演時刻をとっくに過ぎていたり、連絡ミスで会場に着いた途端ドレスに着替える暇も無くいきなり弾かされたり、リハーサルの時に鍵盤がはがれていたり・・・。

 つい先日は、リハーサルの時に「調律師さんにお会いしたい」と言ったら「調律師?今日は来ないわよ、調律は3週間前に済んでるから。」「さ、さ、さんしゅうかんまえ??? ですか!?」「そうよ!」

「・・・・・」

 かなり精神的にも鍛えられています!!!

 

次回はこちら

 


 掲載元:「あんさんぶる」2006年7月号より転載。(あんさんぶる編集室に転載許可済み)
あんさんぶる編集室(
カワイ音楽教育研究会 機関誌)に無断で転載することを禁止します。

 

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