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パスカル・ドゥヴァイヨン 教授の
『 一度は勉強しておきたいピアノ作品』開催レポート
〜新・ 作曲家別に見る演奏学習法 公開講座シリーズ 〜
各回ともに 10:00 開場 10:30 開講
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
第8回
2022年4月8日(金)
《メンデルスゾーン第1弾》
ロンド・カプリツィオーゾ Op.14
厳格なる変奏曲 Op.54
4/8(金)パスカル・ドゥヴァイヨン教授の『一度は勉強しておきたいピアノ作品』第8回が開催されました。
今回のテーマは、講座などでは取り上げられる機会の少ない作曲家:メンデルスゾーンの「ロンド・カプリツィオーゾ Op.14」と「厳格なる変奏曲 Op.54」の2曲。
期待の高さから多くの受講者の方が参加されました。初めに、メンデルスゾーンの作品を通して、どのようなことを学ぶことが出来るか、
〜伴奏形の学習・軽いタッチの練習、ピアノトリオの要素等〜お話を頂きました。1曲目はロンド・カプリツィオーゾ Op.14を詳しくみていきます。
冒頭の歌曲の要素について、プレスト部分のテクニックの具体的な練習方法などを解説頂きました。続いては、厳格なる変奏曲 Op.54へ。
この曲は1841年にベートーヴェンの名誉に敬意を表してボンに記念碑を建立する資金捻出のために依頼された結果生まれた作品です。
多くの作曲家が参加しましたが、主題と変奏を用いたのはメンデルスゾーンのみだったそうです。
当時、主題と変奏は音楽的な深さよりも華やかな演奏者のヴィルトゥオーゾを見せるために書かれる事が多く、メンデルスゾーンはその概念を取り除きたかったとのこと。
また、「チャールズ・ローゼン著書:古典派音楽の様式」によると、ベートーヴェン:32の変奏曲 ハ短調が「厳格なる変奏曲」のインスピレーションの源ではないかとみているそうです。
古典の変奏曲のルールに基づき、14変奏以外はニ短調に統一されており、テーマには最初の「ラソレド」の4音が全ての変奏に表れることで統一感が保たれています。
最後に感情的なクライマックスが来るように作られているのも特徴です。メンデルスゾーンの書いている表記を厳格にチェックすることは、この作品を組み立てる上で不可欠であり、テンポの設定も重要になってくること、
また、練習方法の具体的なアイディアについてもご紹介頂きました。今回も非常に充実したお時間となりました。
次回は、7/6(水)第9回《ラヴェル:第1弾》ソナチネ、水の戯れ を開催予定です。
皆様のご参加をお待ちしております♪
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