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パスカル・ドゥヴァイヨン 教授の
『 一度は勉強しておきたいピアノ作品』開催レポート
〜新・ 作曲家別に見る演奏学習法 公開講座シリーズ 〜
各回ともに 10:00 開場 10:30 開講
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
第6回
2021年11月26日(金)
《子供のための作品》
ドビュッシー:子供の領分
フォーレ:ドリー組曲 Op.56(連弾)
11月26日(金)パスカル・ドゥヴァイヨン教授の『一度は勉強しておきたいピアノ作品』
講座 第6回が開催されました。
本日のテーマは、特別企画《子供のための作品》として、「フォーレ:ドリー組曲」と
「ドビュッシー:子供の領分」が取り上げられました。冒頭にアペリティフ代わりにと、ドゥヴァイヨン教授と村田理夏子先生による
連弾共演でドリー組曲の演奏からスタート。
さすが息もぴったりの洗練された秋晴れのような爽やかな演奏をお届け頂きました。今回取り上げる2作品において、避けては通れない人物「エンマ・バルダック」についても少々お話頂きました。
エンマ・バルダックは、フォーレ、ドビュッシーの両方に求愛され、後にドビュッシーの妻となりました。
フォーレは、エンマとその娘エレーヌ(愛称ドリー)のために「ドリー組曲」を作曲し、
ドビュッシーは、夫人と自身の愛娘エンマ(愛称シュシュ)のために「子供の領分」を作曲。
二人の偉大な作曲家のあまりにも有名な作品に関わった女性として注目の人物です。2作品に共通するのは、「子供の世界を生き生きとさせる」事を目的としており、
簡単な音楽ではないものの、乗り越えられないテクニックはないので、若い才能
の卵たちがアプリ―チし易く、作曲家の世界に入っていくための導入に適しているとのお話。
今回は、作品を通して教育的な面からのお話も多く頂きました。ドリー組曲 1曲目『子守歌』、指導する上で ハーモニー、バランス等の
聴き方を教えるために、指導者側(セカンド)と必ず一緒に演奏しながら、
時には少し誇張したりして違いを聞く耳を育てるために、様々に試してみる
ことが必要。小さな音でも常に歌っている音であること…貴重なお話が1曲ごとに続きます。後半は、「ドビュッシー:子供の領分」へ。
学習する年齢や段階によっての難易度もご説明頂きました。
ドビュッシー唯一の子供時代の幻想的な世界を表現した作品であり、
エチュードを利用してコミカルに書かれている面もあるとのこと。
1曲ずつ丁寧に解説がなされました。今回は、実際に演奏する上でのお話に加えて、生徒さんにどのように
指導をしていくか、ピアノ指導者の方にとっては実践的なお話が多く、
きっとすぐにレッスンで役立てられるのではないでしょうか。最後に昨今の若い方は「音」を追求することが無くなってしまった、
音楽には自然に元々ある「色合い」があり、それを探求・研究していくことは
必要不可欠なことだと思うとのお話。
様々なことを考えさせられる貴重なお時間となりました。次回は、2022年2月9日(水)第7回「モーツァルト 第1弾」を開催予定。
どうぞお楽しみに!
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