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フランス、ドイツで研鑽を積み国際的に演奏活動をする
福間 洸太朗 ピアノマスタークラス 開催レポート
2021 年3月4日( 木) 10:30 〜 12:40
会 場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」 

 国内外から多彩な講師を招いて開催されるカワイの「公開講座シリーズ」、今回の講師は福間洸太朗先生です。受講対象は「プロのピアニストを目指している」中・高・大学生とされていて、高い向上心を持った受講生と講師の臨場感あるやりとりに引き付けられます。

 受講生は2人で、1人60分の持ち時間になります。今回は東京音楽大学学部3年の下岡萌々子さんが、シューマン《クライスレリアーナ》より第1、2、3番、桐朋学園音楽大学大学院修士課程2年の堀内麻未さんが、同じくシューマンの《ピアノ・ソナタ》第3番より第一楽章・第四楽章で受講されました。初めは受講生がコンサート形式で通して演奏し、福間さんはそれを客席で聴いています。さて、レッスンを通して演奏はどのように変わっていくでしょうか。

 福間さんのレッスンは、受講生の気質に沿った指導の仕方を選ばれているように感じられます。指導の中では「こうだ」ではなく、「こうではなく」や「私のやり方ではこうですが」という幅を持たせた言葉選びに努めておられました。

 

一人目の下岡さんのレッスンでは、まずシューマンの人物像と演奏表現の特性についてのお話から始められました。冒頭から順にさらっていく中で、それらを具体的に形式やハーモニーに照らし合わせてレクチャーしていきます。説明は楽曲細部のミクロな書法から、シューマン作品全体に通ずる表現の意味、あるいはご自身のドイツ生活に裏打ちされるドイツ語の楽語の微妙なニュアンスまで、多岐に渡りました。曲に対する様々な視点を授けられて、一曲に留まらず誰もに応用の効く内容でした。

 

 一方、二人目の堀内さんに対しては、一演奏者同士として対等な関係でコミュニケーションを取りながら、二人で試行錯誤して正解を探っているようです。楽曲の作り方だけでなく、「聴いている人」「観ている人」の感じ方を意識した、パフォーマーとしての姿勢についても言及されました。福間さんの実演に反応して受講生の演奏も次第に形を変え、指導もそれに応じて熱量が高まった末に、取り繕わず率直な表現やジェスチャーが交えられると、思わず会場から笑いが溢れました。

 真摯な人柄が窺える福間先生のレッスンには、受講生だけでなく聴講者も虜になってしまいます。ぜひご自身のピアノの世界を広げに、公開講座にお越しください。

(M.S.)

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